研究課題/領域番号 |
22K01670
|
研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
崔 宇 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (60445004)
|
研究分担者 |
太田 雅晴 大阪学院大学, 経営学部, 教授 (00168949)
井戸田 博樹 近畿大学, 経済学部, 教授 (10352957)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | サプライチェーンレジリエンス / 自律分散型システムアーキテクチャ / DX |
研究実績の概要 |
近年、生成AIやDAO(Decentralized Autonomous Organization)など新しいデジタル技術と展開概念が次々と登場し、既存のサプライチェーンシステムの革新に拍車がかかっている。一方、地震やパンデミックといった自然災害と組織の不正や地政学的な混乱といった人為災害によるサプライチェーンの寸断がますます深刻となり、喫緊の課題である。本研究では、アジア・オセアニア地域を中心に、サプライチェーン企業のDX(Digital Transformation)推進の度合いを調査・分析した上で、サプライチェーン全体において、DAOのような自律分散型システムアーキテクチャの適用性を検証し、とりわけ、突発的事件が頻発する中、サプライチェーンレジリエンスの向上に如何なる影響と役割を果たすかを明らかにすることが目的である。 今年度はこの研究プロジェクトの2年目となり、サプライチェーンレジリエンスのケイパビリティをロバスト性(Robustness)、冗長性(Redundancy)および柔軟性(Flexibility)という三つのクライテリアから考察し、サプライチェーンに対して、COVID-19パンデミックの発生前・中・後の3段階に分けて、それぞれのシステムパラメーターを測り、その結果をシステマティックに分析した。それによって、サプライチェーンレジリエンスのケイパビリティの形成と強化を促進する要因を明らかにした。 また、サプライチェーンにおける自律分散型システムアーキテクチャの適用に向けて、ブロックチェーンメカニズムの特徴と作用から、既存のサプライチェーンシステムへの導入を備えた最適なアプローチについて、概念的フレームワークを構築した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りに研究を行っており、各国での実地調査や海外協力者との共同研究も順調に進めている。特に、今年度では、海外協力者を日本に迎え、中期的な研究訪問をしていただいた間、本プロジェクトの研究分担者と海外協力者と一緒に、複数のサプライチェーン企業を調査(インタビュー)し、多くの建設的な議論と研究メソドロジーの検討を行った。そのため、現段階での研究に対するレビューが包括的に成され、今後の研究推進の着眼点についても、より明確になった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はブロックチェーンメカニズムを適用した概念的フレームワークをベースとして、上述のサプライチェーン企業への調査・分析結果を大いに参考し、実行可能な自律分散型サプライチェーンシステムの構築を試みる。また、サプライチェーンレジリエンスの視点から、ブロックチェーンメカニズムの導入によって、システムアーキテクチャのロバスト性、冗長性と柔軟性にどのような影響がもたらされるかについて、考察を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究調査の対象地域に対して、前後が生じ、今年度予定していた対象地域を来年度に回すことにしたためです。
|