研究課題/領域番号 |
22K01684
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
富田 純一 東洋大学, 経営学部, 教授 (30396824)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オープン・イノベーション / 社会ネットワーク論 / 公的支援型R&D / R&Dコンソーシアム |
研究実績の概要 |
近年、新規性や複雑性の高いR&Dに取り組むオープン・イノベーションに注目が集まっているが、どのような組織編成やネットワーク構造が望ましいかについては、まだ検討の余地が残されている。そこで本研究では、R&Dコンソーシアムのネットワーク構造とパフォーマンスの関係を明らかにすることを目的とする。より具体的には、NEDO等による公的支援型R&Dコンソーシアムのバリューチェーン・ネットワークデータを用いて、その構造を可視化するとともに、パフォーマンス指標との関係を明らかにすることを試みた。分析の結果、以下のことが明らかとなった。①ネットワーク密度が高い群の方が,低い群よりも,上市率の平均ランクが高かった。②ネットワーク推移性が高い群と低い群の間には上市率の平均ランクに有意差は見られなかった。③ 中心化傾向がいずれも低い群の方が,高い群よりも,上市率の平均ランクが高かった。④ネットワークが高密度・高推移性かつ中心化傾向が低い群の方が,低密度・低推移性かつ中心化傾向が高い群よりも,上市率の平均ランクが高かった。公募制型の R&D コンソーシアムでは,ネットワーク中心化傾向を低くし,ネットワーク密度や推移性を高めるような組織編成,つまり「橋渡し型ソーシャル・キャピタル」や「スモールワールド・ネットワーク」になるような組織編成が望ましいと考えられる。こうした分析結果およびインプリケーションは得られたものの,本稿の分析に用いたサンプル・データは 38 件と非常に少ない。分析手法もノンパラメトリック検定に限られており,分析結果が必ずしも頑健であるとはいえない。今後の研究課題としては,サンプル・データを増やし,より精緻な統計分析を行っていく必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究計画のうち、公的支援型R&Dコンソーシアムのバリューチェーン・ネットワーク構造とパフォーマンスについては、データに基づいて分析を進め、論文を執筆することができた。しかし、アンケートについては、調査先の方針転換により、今後の協力が得られなかった。このため、特許データベースの利用契約を結び、データ収集に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は特許データベースをネットワーク分析用に整備し、分析枠組みの精緻化および実証分析を深掘りしていくことが課題である。その際、公的支援R&Dに加え、民間のR&Dコンソーシアムも比較対象として分析対象に含め、研究を進めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での国際学会参加を予定していたが、コロナ禍で参加できなかったため、大幅な残額が生じた。今年度は国際学会への参加および国内の特許DB使用契約継続に加え、予算の範囲内であれば、海外の特許DBの使用契約も行う計画である。
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