研究課題/領域番号 |
22K01706
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
細萱 伸子 上智大学, 経済学部, 准教授 (50267382)
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研究分担者 |
新井 範子 上智大学, 経済学部, 教授 (50286134)
竹内 明香 上智大学, 経済学部, 准教授 (40506135)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ダイバーシティ / 転職 / 業種 / 業界 / 職業 / 国籍 / 性別役割分業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本社会の特徴を踏まえたダイバーシティ状況の類型化をふまえ、その状況が個人の就業行動に及ぼす影響を検討することである。これはダイバーシティ議論を、より日本の文脈に根付いたものとし、現実的な検討をおこなうことを目的としている。ダイバーシティ状況の類型化に向けて、業界ごとのダイバーシティ指標を作成し、現実のダイバーシティ状況の可視化を目指す。さらに、その指標から明らかになるダイバーシティ状況が、個人の就職行動に及ぼす影響を検討することが目的である。 研究計画の前半では、ダイバーシティの業界別指標作成に関する研究において、官庁データを利用して、ダイバーシティの指標の作成を行うこととしている。 本年度は、研究計画前半のダイバーシティの業界別指標作成に関する研究に取り組んだ。 本研究は官庁データを利用して、ダイバーシティの指標の作成を目的とするものである。企業へのアンケート調査ではなく、官庁データを使用するメリットは、標本の偏りが小さいことである。基本的な従業員特性を反映した、ダイバーシティを表す指標の提案を目指し、業種間の差異を比較するためにダイバーシティの指標のひとつであるBlau指数(Blau 1997)を、平成27年国勢調査を分析対象として算出した。 結果として、性別と国籍のダイバーシティがともに進んでいる業種、ともに進んでいない業種を明らかにし、その背景要因との関連を、職業別の特性や男女役割分業の実態などから検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の前半では、ダイバーシティの業界別指標作成に関する研究において、官庁データを利用して、ダイバーシティの指標の作成を目的としている。国勢調査の分析結果を用いて、ブラウ指数により作成をした。
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今後の研究の推進方策 |
現在研究計画の前半である、ダイバーシティ指数の算出を性別と国籍の2種類のダイバーシティについて算出し、業種別の特性を明らかにした。今後は、研究計画の後半に向けて、ダイバーシティ指数の精緻化を行う課題が一つある。 さらに、次の段階の課題として、ダイバーシティの認識が就業者の行動に及ぼす影響について明らかにする点がある。後者の課題については、本年度の重点的な項目として①関連文献の整理、②質的調査による影響要因の具体的内容の特定を行っていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費の利用、インタビュー調査経費の使用がなかったため、次年度繰り越しとなった。 物品費については、24年度にPCの購入を予定している。
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