研究実績の概要 |
研究期間の初年度である2022年度については, 以下の2本の論文を執筆した. [1] Megumi Suto and Hitoshi Takehara(2023), “Diversity in the workplace, work-life balance, and organizational productivity: Role of innovation capability”. [2] 竹原 均,「組入有価証券明細情報を用いた運用パフォーマンス評価手法の開発」 論文[1]は独自のCSR評価指標データベースを構築し, その中でも特に”Work-Life Balance” (WLB)と”Equal Opportunity” (EO)の2指標に着目し, それらが全要素生産性(Total Factor Productivity, TFP)と特許情報を用いて計測された技術競争力にどのような影響を与えるかについて分析した. その結果, 特にWLBがTFPや技術競争力に正の影響を与えることを確認した. 次に論文[2]は, Daniel, Grinblatt, Titman and Wermers (1997)で提案されたファンドのポートフォリオ構成比率情報を使用したパフォーマンス評価手法を, 日本市場への適用を念頭に修正し, 新規開発の手法を用いて国内株式型投資信託の運用パフォーマンスを評価した. 実証分析の結果, 論文[2]で提案された運用評価手法の利用により, 国内株式型投資信託の運用パフォーマンスを, 取引コスト, デザイン, ベータプレミアム,アルファへと分解することが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」において説明した2本の研究論文の執筆に加えて, 実証分析用のCSR評価インデックスを2022年まで延長した. また株式型投資信託の運用パフォーマンスの評価手法そのものの開発を終えており, 2023, 2024年度に予定している後続の研究への準備を適切に終了することが出来た.
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