研究課題/領域番号 |
22K01711
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研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
劉 曙麗 山梨学院大学, 経営学部, 准教授 (20712144)
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研究分担者 |
李 春霞 新潟県立大学, 北東アジア研究所, 准教授 (50823978)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | イノベーション / 経営陣発明者 / 特許データ / 中国 / 企業 / リーダーシップ / 二重役割 / 人的資本 |
研究実績の概要 |
定量分析については、中国創業板上場企業の特許データと経営陣のデータの接合により、経営陣発明者のイノベーションパフォーマンスに関する実証分析をした。主な結論は以下となる。①より高度な専門知識とノウハウを学習し、特に修士号や博士号の取得と、発明者のグローバルバックグラウンドはイノベーションパフォーマンスに大きく貢献していることが証明された。②職位について、技術と関連するポジションよりトップクラスの経営者の貢献が高いことが発見された。③経営陣発明者は、発明者として研究活動を行う研究者としての一面があると同時に、経営者としてのマネジメントの役割も果たさなければならない。本研究は、企業の研究部署の状況により、経営陣発明者の二重役割の重みがどのように移り変わるかという興味深い問題を初めて明らかにした。企業の研究部署の規模が大きく、研究者の人数も多い場合、発明者としての研究活動を行うことより、研究戦略策定、研究プロジェクトの管理などの経営者としての役割を担うことになる。自分自身のイノベーションパフォーマンスは落ちるが、経営者として企業全体のイノベーション活動に貢献している。その一方、企業発明者の中の経営陣人数が多い場合、あるいは、平社員としての発明者の数も少ない場合は、彼らは、発明者として研究活動を行い、発明者の役割に重みが置かれ、自分自身のイノベーションパフォーマンスを高めることになる。 定性分析に関しては、中国の深センでのイノベーション企業に現地調査し、企業の経営陣の研究開発参加について、詳しくインタビューを行った。
2023年度は、代表者と分担者の間で頻繁にミーティングを行い、研究内容について意見交換を積極的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、①2023年度は、経営陣発明者のイノベーションパフォーマンスを中心として検証したが、経営陣発明者の研究参加は、その他の発明者にどのような影響を与えるのかについて、発明者レベルのパネルデータで検証する。②経営陣発明者の研究参加している特許は、ほかの特許より質が高いのかについて、特許レベルで経営陣発明者の属性の接続により検討する。以上の定量分析とともに、引き続きインタビュー調査の裏付けと定性的な分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で予定していた中国企業のインタビュー調査が予定より遅れている。
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