研究課題/領域番号 |
22K01718
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩田 智 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (00232679)
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研究分担者 |
多田 和美 法政大学, 社会学部, 教授 (50582805)
谷口 勇仁 中京大学, 経営学部, 教授 (60313970)
中川 充 日本大学, 商学部, 教授 (90638412)
金 泰旭 近畿大学, 経営学部, 教授 (90364108)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 経営学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、多国籍企業の新興国におけるグローバルなイノベーションのマネジメントがどのように行われているのかを明らかにし、その取り組みがいかなる価値創造と波及効果をもっているのかを、定量的・定性的調査を通じて実証的に分析することにある。 そこでは、グローバル・イノベーションに関する既存研究では必ずしも十分に検討されて こなかった、日本の本国親会社が、新興国子会社、現地環境(顧客、企業、政府等)、及び第 3 国子会社を含めた中で行われているグローバル・イノベーション・プロセスに着目する。本研究では、さらにその新興国子会社の分析結果と既存研究で行われてきた先進国子会社のグローバル・イノベーション・プロセスの比較分析を行うことによって、イノベーション研究を前進させるとともに、新たな理論的、実践的含意を導くことを目的としている。 本年度は、主として海外子会社に対する質問票調査の実施、分析などを行った。その結果、海外子会社へ移転されている知識や情報の源は、主に本国親会社、現地従業員、顧客の3者であること、移転された知識や情報は、需要の変化やそれが自社の製品・サービスにもたらす影響を分析するために活用されていること、顧客からの苦情や各部門での役割分担については、明確に情報共有がなされていること、人的資源のマネジメントについての変更は海外子会社が主導しており、研究開発戦略に関する変更は本国親会社が主導していること、新規に製品・サービスを開発する際には、既存の顧客やサプライヤー、パートナー、ステークホルダーの意見や意向が重視されること、従業員教育のノウハウは、海外子会社内で新しく開発・修正変更されること、過去に開発された製品やサービスは、時間を経て継続的に改善されていること、知識創造活動は、市場ニーズへの適合、売上や利益、競合企業に対する競争優位性に寄与していることなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究がほぼ計画通りに進捗しているため。なお、当初予期していないことが起こった場合には、その都度最善の代替案を模索し、研究課題を達成できるよう努力する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、質問票調査の結果を先進国と新興国に分け、分析枠組基づいて両者の比較分析などを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、質問票調査を実施したが、研究分担者の研究費も併せて使用し、費用が予定よりも少なくなったため。翌年度は、翌年分として請求した助成金と合わせて海外子会社の事例研究のための調査に使用する計画である。
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