研究課題/領域番号 |
22K01728
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研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
連 宜萍 公立鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (60649127)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自由貿易協定 / FTA / 海外直接投資 / FDI / 多国籍企業 / サプライチェーン / グローバル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、繊維・衣服産業を事例に、FTAの揺らぎが企業の投資行動とサプライチェーンの構築に与える影響を解明することである。そのために、本研究は、①FTAの変更がFDIに与える影響の統計的検証、②繊維・衣服製造サプライチェーンの立地分布のサーベイ、③フィールド調査を通じた一次情報の獲得、④卒機関のネットワーク関係の分析という4つの研究課題を設定し進めている。 2022年度に主な研究実績は研究報告2件と論文掲載3件(予定を含む)ある。 研究報告について、FTAの最新動向および多国籍企業による直接投資と企業活動のグローバル化に係る理論と研究を整理することを通じて、本研究の課題と分析の枠組みをより明確にした。その成果を6月に中央大学経済研究所公開研究会にて「自由貿易体制の展開とグローバル化:先行研究の成果と課題」を題に研究報告を行い、また多国籍企業学会第14回全国大会にて「外国直接投資とグローバル化に関する文献の考察と課題」を題に研究報告を行った。 論文掲載について、Discussion Paper1件(中央大学経済研究所)、月刊誌『改革者』論文1件(依頼論文)および『多国籍企業研究』の査読論文1件(掲載予定)ある。詳細は後掲の研究発表(研究成果)に記載する。 加えて、2022年度の研究成果をもとに、2023年5月2日に台湾の国立中興大学の大学生を対象に(講義名:日本とアジア太平洋地域の発展)講義を行い、台湾の大学生に日本の経済と社会に対する理解を深める機会を提供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」に記載している4つの研究課題のそれぞれの研究進捗を説明する。 【第1課題】FTAの変動がFDIに与える影響の統計的検証について、既に研究結果を出しており、2023年5月21日に日本経済政策学会第80回全国大会(開催校:中央大学)で研究発表を行う。 【第2課題】繊維・衣服製造サプライチェーンの立地分布について、企業の公開情報を入手しており、現在整理・分析している。 【第3課題】フィールド調査を通じた一次情報の獲得について、現在調査予定の企業と日程を調整しており、今年度予定の通りに実施する。 【第4課題】組織間のネットワーク関係の分析について、研究計画の通りに次年度の後半から分析を始める。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で設定した4つの研究課題のうち、第1課題は既に分析結果を出しており、第2課題は2023年6月に分析結果を出す予定である。 2023年度に第3課題を中心に進め、8月に台湾の国立中興大学のEMBAコースに参加し、企業家にヒアリングするアポイントメントを取った。 ほかに、7月にカンボジア、9月にベトナムとマレーシアの企業にヒアリング調査を実施する予定であるが、現在日程調整中であるため、ヒアリング調査の実施日が予定とは前後することがある。 2023年12月~2024年3月の調査予定は、9月に順次に調整し実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は、本研究が東南アジア諸国に進出している多国籍企業に対してヒアリング調査を本格的に実施する年度である。 ベトナム、マレーシア、インドネシア、カンボジアの多国籍企業のみならず、現地の委託製造企業および同じネットワークにおいて上流と下流の企業より一次情報を獲得するために、複数回の国外旅費と査証費用などが必要となる。 また、2023年度に研究成果を国内学会(日本経済政策学会、東京開催)と国際学会(ICBEIT、グアム開催と想定)で発表し発信するために、国内旅費と国外旅費がそれぞれ1回発生する。
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