研究課題/領域番号 |
22K01731
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
藤山 英樹 獨協大学, 経済学部, 教授 (80327014)
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研究分担者 |
金光 淳 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (60414075)
鈴木 努 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00595291)
平井 岳哉 獨協大学, 経済学部, 教授 (60406402)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 企業ネットワーク / 役員兼任 / 役員派遣 / 持ち株 / 社会ネットワーク分析 |
研究実績の概要 |
具体的に行った分析の内容は、購入したデータを分析可能な形式に整理し、それを踏まえ、社外取締役を通じた企業ネットワーク、役員派遣を通じた企業ネットワーク、株式取得による企業ネットワークの三つについて、2008年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年の記述統計を求めたことである。主たるものは、一企業当たりがもつリンクの程度(密度、平均次数)、局所的にどれだけ閉鎖的か(推移性、クラスター係数)、ネットワーク全体でどれくらい中心的な構造があるか(中心化)などである。さらに、3企業や4企業においてどのような部分ネットワークができているかについても調べた。結果として次のことが明らかとなった。すなわち、社外取締役を通じた企業ネットワークが拡大し、役員派遣を通じた企業ネットワークはあまり変化なく、株式取得による企業ネットワークは縮小傾向にある。また、推移性とクラスター係数は全体として減少傾向にあり、より開放的な関係への傾向もうかがえる。3企業および4企業の部分ネットワークの変化についても、記述統計の変化と整合的なものとなっていた。 以上の分析の意義は、2年目以降におこなう推定を含む実証分析の基礎作業となっていることである。水平的で、開放的な企業構造が増加していることを踏まえ、どのようなネットワーク構造が利潤との関係を定式化し、推定を行っていく。 2008年と、2013年から2018年までの7年間にわたり、3種の異なる企業ネットワークの時系列的な変化をデータから明らかにしていることによって、企業ネットワーク分析に対して基礎的な事実を提供していることが、初年度の結果の重要性と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会ネットワーク分析が可能となるようなデータの整理については順調に進んでいる。また、記述統計の導出などの基礎的な分析もでき、3月には学会報告をするまでとなった。さらには、中心性についての企業ランキングも求めることができ、この成果は、現在執筆中の、社会ネットワークのテキストに示し、広く社会への成果の還元への作業も進んでいる。最後に、推定についても一部ではあるが進展もあり、2年目の分析への準備もできている。以上の意味で、研究は順調に進んでいる。 他方において、質的な分析や解釈という面では、不十分といえ、この点の課題を克服するために、2年目、3年目とより一層の研究分担者との連携が必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、2年目は推定を中心に分析をし、3年目は、学会報告を行いながら、分析の精緻化を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベースの予算を2,400,000円で考えていたが、実際には2,398,000円であったため、2000円の残金が生じた。研究計画では初年度の最大の課題は、データの購入し、分析ができるように整理することであった。これに集中するため、また、残金の使い道は特に3年目の研究成果報告書の製本などにあてるべきと考えたため、残金を次年度以降に繰り越すことにした。
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