研究課題/領域番号 |
22K01764
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
日高 優一郎 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (90550335)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 家事の外部化 / 共働き化 / ミクロデータ / 消費パターン |
研究実績の概要 |
研究2年目の昨年度取り組んだのは、一昨年度に引き続き、本研究の研究課題解明にあたり必要になる事前調査である。とりわけ昨年度取り組んだのは、総務省統計局「家計調査」のミクロデータに基づく、共働き化が家事の外部化製品の消費パターンに与える影響に関する考察、および、関連諸分野の文献展望と分析視覚の構築である。 前者の研究課題に関しては、本研究では家事の外部化の進展を研究対象としているが、一昨年の文献展望の結果から、「共働き化」が家事の外部化の消費パターンに与える影響は、共働き化が我が国より先行して進展してきた北米市場を中心とした既存の実証研究では必ずしも統一した見解が得られてきたわけではないことが整理されたため、本研究の研究対象においても事前調査として検証に取り組んでいるものである。昨年度、一昨年度総務省統計局より提供頂いたミクロデータをデータセットとして変数化し、分析手続きを進めてきたところで、現在も検討中であるが、まとまり次第順次研究成果として公表していく計画である。 第二に、関連諸分野の文献展望と分析視覚の構築については、一昨年の研究蓄積をふまえて本年度も既存研究においてその進展に作用すると指摘されてきた要因に関する知見の整理を進めてきたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目の昨年度取り組んだのは、上述したとおり、総務省統計局「家計調査」のミクロデータに基づく、共働き化が家事の外部化製品の消費パターンに与える影響に関する考察、および、関連諸分野の文献展望と分析視覚の構築である。前者に関しては、一昨年に行ったデータの取得手続きを受け、データセットの構築を行った上で実証分析の手続きを進めてきたところではあるものの、分析枠組みや結果の解釈に関する更なる検討を要すると思われることから、今後さらに検討を進めた上で、まとまり次第研究成果として公表していく計画である。第二に、関連諸分野の文献展望の深化と分析視覚の構築に関しては、一昨年度の蓄積をふまえた上で、家事の外部化に関する消費パターンを考察する上での分析視角、および方法論に関する既存研究の知見の整理を中心に検討を進めてきたところである。これらの点に関しては、当初の予定通り、本年度以降も引き続き取り組んでいく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画として、上述のとおり、これまで取り組んできた各種事前調査の分析手続きを進めること、関連諸分野の文献展望の深化と分析視覚の構築に取り組むこと、当初計画において事前分析を行った上で行うとしていた、家事の外部化に関する言説の役割に関する分析を開始すること、の3点を挙げることとする。 第一に、各種事前調査に関しては、現在取り組んでいる「家計調査」のミクロデータに基づく、共働き化が家事の外部化製品の消費パターンに与える影響に関する分析に引き続き取り組み、検証結果を研究成果として公表していく予定である。第二に、文献展望の深化に関しては、各種事前調査の結果と既存研究の知見を照合しながら、各種事前調査の結果の論文化に向けた手続きを進めるとともに、後述する家事の外部化に関する言説の役割に関する分析の分析視角、および方法論に関する理解の進化を図っていく予定である。最後に、家事の外部化に関する言説の役割に関する分析に関しては、分析対象とするデータの取得を行ってきたところである。他の分析対象の可能性も探索的に探りつつ、この点についても鋭意今後分析を進めていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金が生じた状況としては、既存研究資源の効率的運用に伴う新規の物品・消耗品等の削減を図ったこと等が挙げられる。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画については、昨年度より引き続き実施する計画である各種分析、および研究成果の公表に際して相応の拠出を伴うことが考えられることから、引き続き効率的運用を図りながらも、これらの費目への拠出に充当する計画である。
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