研究課題/領域番号 |
22K01816
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉田 栄介 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20330227)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 管理会計 / 実態調査 / 非製造業 / テンション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,管理会計の新機能として,管理会計によるテンション・マネジメント(「張り」のマネジメント)が組織プロセス・組織成果・組織成員に及ぼす影響を経験的に探究することにあった。管理会計による「張り」のマネジメントとは,業績目標の設定やマネジメント・コントロールシステムの設計・運用によって,業務目標間のトレードオフや組織成員の受ける緊張状態に影響を与え,組織プロセスや組織成果へ影響を及ぼすマネジメントのことである。本研究では,組織プロセスとして,ミドルマネジメントの意思決定,商品・サービスと組織プロセスにおける改善・イノベーション,組織成果として,組織単位の目標達成,組織成員への影響として,従業員のモチベーションに注目した。 より具体的には,第1に,予算管理や業績評価に代表されるマネジメントコントロールを対象にテンションの観点から,上記の3つの影響を調査し,第2に,同様に,原価企画などのコストマネジメントにおけるテンション・マネジメントの如何が及ぼす3つの影響についての実証的な解明を目的としていた。 上記の目的に向けて,2023年度には,追加的文献調査と企業訪問調査を経て,2024年1月に東証上場企業全社に対する郵送質問票調査を実施した。年度末までに,データ回収が終了し,基礎的な分析に移行した。基礎分析は,東証Prime市場上場企業の製造業と非製造業の比較、15年前の調査結果との比較、東証StandardならびにGrowth市場上場企業の製造業と非製造業の比較、Prime市場上場企業との比較を予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
追加的文献調査も、企業訪問調査も順調に進んでおり,予定通りの日程で郵送質問票調査も実施した。概ね想定通りの有効回答数のデータも収集でき,研究は計画通りに進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究は計画通りに進行しており、今年度は、回収データの基礎分析を終え、実態調査結果報告として、公表予定である。公表媒体とも掲載時期の打ち合わせは終了しており、今年度後半から随時、発表していく計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度末(2024年1月)に郵送質問票調査を計画していたため、予算に余裕を持たせたかったため、予算執行を少し抑えた中、郵送質問票調査の費用も相見積などを通じて低く抑えることができたため。 2024年度は、郵送質問票調査回答企業への訪問調査と企業資料館、図書館での資料・情報集の国内出張を多く計画しており、そのための費用に充当する計画である。
|