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2023 年度 実施状況報告書

「復帰」50年の沖縄におけるナショナル・アイデンティティと政治意識

研究課題

研究課題/領域番号 22K01843
研究機関明星大学

研究代表者

熊本 博之  明星大学, 人文学部, 教授 (80454007)

研究分担者 松谷 満  中京大学, 現代社会学部, 教授 (30398028)
田辺 俊介  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30451876)
米田 幸弘  和光大学, 現代人間学部, 准教授 (40555257)
高橋 順子  日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (90555434)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードナショナル・アイデンティティ / 政治意識 / 米軍基地 / 沖縄
研究実績の概要

本研究は、本土復帰50年を迎える2022年に、沖縄県民を対象とする量的調査を実施し、沖縄県民のナショナル・アイデンティティの規定要因を解明するとともに、基地問題や政治に関する意識との関連構造を明らかにすることを目的としている。
2023年度は、前年度に実施した県民意識調査の速報版をウェブ上で公開し、あわせて沖縄県庁記者クラブにてプレスリリースを行った(2023年6月5日)。多くの報道機関から取材を受け、沖縄タイムス、琉球新報、朝日新聞、毎日新聞、しんぶん赤旗で報道された他、琉球朝日放送のニュースで取り上げられた。
ナショナル・アイデンティティに関する調査成果としては、独立変数に「沖縄人アイデンティティ/ハイブリッドアイデンティティ/日本人アイデンティティ」を置き、従属変数に「ある人を本当に沖縄人であるとみなすための条件:先祖が沖縄人であること」を置いた分析結果に着目したい。沖縄人アイデンティティをもつ人は40.0%が「とても重要だ」、34.7%が「まあ重要だ」と回答したのに比して、ハイブリッドアイデンティティを持つ人は「とても重要だ」18.8%、「まあ重要だ」37.0%と大きな差がついた。ここからは、民族的なルーツを持つことを沖縄人の条件とする本質主義的な傾向が、沖縄県民のナショナル・アイデンティティのあり方に影響を及ぼしている可能性が指摘されよう。
また基地問題への意識については、若い世代ほどある種の「あきらめ」がみられることが見えてきた。その理由と影響についての分析も進めていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画どおり2023年6月に調査結果の速報版を公開し、あわせてプレスリリースを行ったことで研究成果の社会への還元もできた。また研究成果を用いた論文の掲載や学会発表も実現している。

今後の研究の推進方策

引き続きデータ分析を進め、成果報告書の制作に努める。あわせて論文の投稿や学会発表も進めていく。

次年度使用額が生じた理由

8月上旬に予定していた沖縄での現地調査が台風によって実施できなかったことによるところが大きい。今年度は現地調査を計画的に実施することで、研究目的の達成に努める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 沖縄に「平和」をもたらす「自立」の実現に向けて2024

    • 著者名/発表者名
      熊本 博之
    • 雑誌名

      平和研究

      巻: 61 ページ: 1~22

    • DOI

      10.50848/psaj.610111

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 沖縄県民の政治意識(1)基地意識の世代差の背景2023

    • 著者名/発表者名
      米田幸弘
    • 学会等名
      沖縄社会学会 第6回大会
  • [学会発表] 沖縄県民の政治意識(2)知事・運動に対する評価2023

    • 著者名/発表者名
      松谷満
    • 学会等名
      沖縄社会学会 第6回大会
  • [備考] 政治参加と沖縄に関する世論調査

    • URL

      https://w3.waseda.jp/prj-ipa/okinawa/

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公開日: 2024-12-25  

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