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2022 年度 実施状況報告書

組織システム論にもとづくウェーバー社会学の体系的再構成

研究課題

研究課題/領域番号 22K01852
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 俊樹  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10221285)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード組織システム / ウェーバー / 自己産出
研究実績の概要

本年度は主に著書『メディアと社会の連環』の刊行作業にあたった。本書は全体を議論を解説する序論、そして自己産出系を要素の回帰的ネットワークとして再定式化する章や複雑系との論理的関連性を明確にした章などが完全な書下ろしであるだけでなく、既発表の論文にもかなり手を入れた。特に組織システム論の再定式化をおこなった 章は、元の論文の発表年次が本書のなかで最も旧かったこともあり、半分ぐらいが新規のものになっている。
そうした作業のなかで、組織システムが決定を要素とする回帰的ネットワークとしてモデル化できることを示した。これは決定という共通形式をあたえることで異なる要素を接続していくものであり、マックス・ウェーバーの組織の「形式合理性」と論理的な共通性をもっている。形式合理性についてはさまざまな解釈がなされてきたが、異なる要素に共通形式をあたえることで相互に接続可能にし、それを通じて一元的な管理を可能にすることだと考えることができる。資本計算の形式合理性であれば、全ての寄与に「出資」金額という共通形式をあたえて管理することであり、組織の形式合理性であれば、全ての業務に決定ネットワークの要素としての「決定」という共通形式をあたえることである。
そうした形で、組織システム論とウェーバーの官僚制論とを対立するものではなく、前者を後者の発展形として位置付けることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究期間中に一冊以上の著作物を刊行することを目標にしていたが、すでに一冊は刊行できた。

今後の研究の推進方策

現在の研究はきわめて順調に進んでいるので、これを継続していきたい。できればもう一冊、成果物にあたるものを刊行したい。

次年度使用額が生じた理由

きわめて少額であるため、無駄な物品を買って消化することはせず、次年度使用に回した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ある家族の肖像 ~M・ウェーバーと組織の社会学 (その一)2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤俊樹
    • 雑誌名

      国際社会科学

      巻: 71 ページ: 1-31

  • [雑誌論文] 居ることと住むことと生きること 書評:イ・ヘミ(伊東順子訳)『搾取都市、ソウル』2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤俊樹
    • 雑誌名

      UP

      巻: 596 ページ: 46-51

  • [雑誌論文] 戦争を観念と虚構で考えない 書評:柳澤協二・伊勢崎賢治・加藤朗・林吉永・自衛隊を活かす会編『非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略』2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤俊樹
    • 雑誌名

      UP

      巻: 602 ページ: 28-35

  • [図書] メディアと社会の連環2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤俊樹
    • 総ページ数
      415
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      978-4-13-050206-1

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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