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2022 年度 実施状況報告書

労働市場における「不満の解消機会」としての転職の機能を解明するパネル調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01875
研究機関千葉大学

研究代表者

吉岡 洋介  千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90733775)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードパネル調査 / 仕事への不満 / 離職 / 転職 / 社会階層
研究実績の概要

本研究の目的は、仕事のさまざまな側面に対する不満とその後の離転職の有無の関連を調べることで、労働市場の「不満の解消機会」の実態を明らかにすることである。この目的を計量分析により明らかにするたに、本研究では、一次データを得るパネル調査を企画・実施した。初年度は2022年9月に千葉県北中部エリア14市町を対象にパネル調査の第1波を実施した(本研究の他に複数の研究課題遂行のための質問項目を含めた総合的な調査票調査である)。サンプリングは選挙人名簿から層化2段無作為抽出により18~69歳の3,016名を選び、調査票と返信用封筒を郵送した。有効回収率は49.2%(1,484名)となり多くの方にご協力いただけた。

データにおいて有職者約1,175名のうち、約20%が会社や勤め先をやめることも考えている離職意志をもっていた。また、給与・収入に不満をもつ者が約40%、体への負担に不満をもつ者が約30%、労働時間に不満をもつ者が約25%であった。職場の人間関係への不満は約15%、自分の能力を生かせることへの不満は約10%で、先に述べた項目と比べ不満をもつ者が少なかった。本研究では、これらの不満のうちどのような不満がその後の離職行動につながるのか、そしてどのような社会階層で転職により不満が解消しやすいのかを、第1波調査にご協力いただいた方を追跡して調査することで今後明らかにしていく。追跡調査は、2023年9月(第2波)、2024年9月(第3波)に実施予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、2022年9月に千葉県北中部エリア14市町を対象にパネル調査の第1波を実施することができた。サンプリングは選挙人名簿から層化2段無作為抽出により18~69歳の3,016名を選び、調査票と返信用封筒を郵送した。有効回収率は49.2%(1,484名)と多くの方にご協力いただけた。

調査票調査への協力を得ることが難しいとされる若年層(18~39歳)の回収率も40.7%と低くなく、この点でも本調査研究が順調に進展していると考えることができる。

今後の研究の推進方策

データにおいて有職者は約1,175名であった。これら仕事をもつ人々のどのような不満がその後の離職行動につながるのか、そして、どのような社会階層で転職により不満が解消しやすいのかを、第1波調査にご協力いただいた方を追跡して調査することで明らかにしていく。追跡調査は、2023年9月(第2波)、2024年9月(第3波)に実施予定である。

課題は当初想定していた以上に多くの調査協力をいただくことができたため、調査謝礼や追跡調査のコストが大きくなったことである。追跡調査の調査票をコンパクトにするなどの工夫を行い、質の高いパネル調査研究を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

2023年9月に、初年度の調査にご協力いただいた方1,484名に対し追跡調査を実施する予定である。このパネル調査は、複数の研究課題を遂行するためのものであり、本研究課題も調査予算を支出している。調査規模は、初年度のおおむね半分ではあるが、中規模の調査票調査の実施に予算を要する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 2022 年「暮らしと政治についての意識調査」の調査概要2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 雑誌名

      千葉大学大学院人文公共学府 研究プロジェクト報告書 第 378 集 『流動化する社会と文化』

      巻: 378 ページ: 44-49

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 多集団同時分析による組織コミットメントの日米比較2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 学会等名
      第74回数理社会学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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