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2022 年度 実施状況報告書

身体性を伴う「理解」の相互行為分析:共在する人々の非対称性に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 22K01879
研究機関公立はこだて未来大学

研究代表者

坂井田 瑠衣  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90815763)

研究分担者 名塩 征史  広島大学, 森戸国際高等教育学院, 講師 (00466426)
遠藤 智子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40724422)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード理解 / 身体的相互行為 / 非対称性 / 共在 / 相互行為分析
研究実績の概要

本研究の目的は,何らかの社会的・身体的な非対称性のある人々が共在する場面において,身体的相互行為によって他者への理解が達成されるメカニズムを明らかにすることである.
本年度は,以下の研究活動を実施した.
・日常場面や教示場面などにおいて収録した映像データの書き起こしおよびデータの整理を行い,本研究課題の探究対象とすべき「理解」が生じていると思われる場面を選定し,予備的分析を行った.
・Intersubjectivity,Action ascriptionなど関連する概念の文献調査を行い,「理解」についての理論的枠組を検討した.
・研究打ち合わせをオンラインで9回開催した.各回の打ち合わせでは,関連文献の調査結果を報告して研究課題における論点を整理するとともに,日常場面や教示場面などの映像データを持ち寄ってデータセッションを実施したり,各自が行った映像データの予備的分析について議論したりした.
・2023年9月に開催される日本認知科学会第40回大会にオーガナイズドセッションを提案した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は研究代表者と研究分担者の全員が計9回集まって研究打ち合わせを実施し,それぞれの専門的見地から,いかにして「理解」を同定し,その成立条件を整理し理論化していくべきかについて,十分に意見を交わすことができた.研究打ち合わせにおける議論をもとに次年度に開催される日本認知科学会にオーガナイズドセッションを提案し,採択された.

今後の研究の推進方策

2023年度は,以下の研究活動を実施する予定である.
・2022年度に引き続き,データセッションを中心とした議論によって「理解」を探究する.
・2022年度に引き続き,文献サーベイを進め,本研究課題に関連する理論的枠組を整理する.
・2023年9月に開催される日本認知科学会第40回大会においてオーガナイズドセッション「行為と活動から「理解」を考える」を開催して研究成果を発表し,関連分野の研究者と議論する.
・最終年度における研究成果のまとめを見据え,論文化,書籍化などを含めた研究成果の公開方法を検討する.

次年度使用額が生じた理由

予定していたデータの書き起こしにかかる人件費の支出が不要になったため,当初の予定よりも使用額が減った.次年度使用額は国内出張の旅費等に充てる予定である.

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] コペンハーゲン大学(デンマーク)

    • 国名
      デンマーク
    • 外国機関名
      コペンハーゲン大学
  • [雑誌論文] 活動を遂行する発話/活動と並行する発話2023

    • 著者名/発表者名
      名塩征史
    • 雑誌名

      広島大学森戸国際高等教育学院紀要

      巻: 5 ページ: 1-14

  • [雑誌論文] Utterance unit annotation for the Japanese Sign Language Dialogue Corpus: Towards a method for detecting interactional boundaries in spontaneous sign language dialogue2023

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Bono, Tomohiro Okada, Kouhei Kikuchi, Rui Sakaida, Victor Skobov, Yusuke Miyao and Yutaka Osugi
    • 雑誌名

      Advances in Sign Language Corpus Linguistics

      巻: - ページ: 353-382

    • DOI

      10.1075/scl.108.13bon

  • [雑誌論文] 「おとなり」どうしの「立ち話」:認知科学の多様化とどう向き合うか2023

    • 著者名/発表者名
      坂井田瑠衣
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 30 ページ: 101

    • DOI

      10.11225/cs.2022.087

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語会話における「いや」についての一考察:認識的優位性の主張との関連2022

    • 著者名/発表者名
      名塩征史
    • 雑誌名

      広島大学留学生教育

      巻: 26 ページ: 19-32

    • DOI

      10.15027/53186

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 空手の稽古における「型」を用いた学びの仕組み:動きの反復と端的な発語2023

    • 著者名/発表者名
      名塩征史
    • 学会等名
      社会言語科学会第47回大会
  • [学会発表] 認識性の日中対照会話分析:declarative questionの頻度と機能2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤智子
    • 学会等名
      シンポジウム「日常会話コーパスVIII」
  • [学会発表] 相互行為を見ることが文法研究に何をもたらすか2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤智子
    • 学会等名
      第19回話しことばの言語学ワークショップ
    • 招待講演
  • [学会発表] 居心地の良さをつくり出す相互行為とは何か2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤巴菜・坂井田瑠衣
    • 学会等名
      共創学会第6回年次大会
  • [学会発表] 取り残されたセクシャルマイノリティ当事者のエスノグラフィ:活動家と距離を置く当事者2022

    • 著者名/発表者名
      宮尻琴実・坂井田瑠衣
    • 学会等名
      共創学会第6回年次大会
  • [学会発表] ユーザーとしての自分とデザイナーとしての自分による共創的デザイン手法の探究2022

    • 著者名/発表者名
      小林陽昭・坂井田瑠衣
    • 学会等名
      共創学会第6回年次大会
  • [学会発表] 技を伝承する「真似」と「反復」:空手と三味線の稽古場面の対照から2022

    • 著者名/発表者名
      名塩征史
    • 学会等名
      コミュニケーションの自然誌研究会
  • [学会発表] “Does it feel spacious?”: Negotiations between the visual and non-visual world2022

    • 著者名/発表者名
      Yasusuke Minami, Nisisawa Hiro Yuki, Mitsuhiro Okada and Rui Sakaida
    • 学会等名
      7th Copenhagen Multimodality Day
    • 国際学会
  • [学会発表] ‘I don’t know’ as affective stance marker: Prosodic features and sequential positions of negative epistemic construction in Japanese conversation2022

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Endo
    • 学会等名
      Seminar Mina ja muut: A scholar in the making
    • 国際学会
  • [図書] 障害理解のリフレクション:行為と言葉が描く〈他者〉と共にある世界2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴宣・栗田季佳・水津幸恵・原田琢也・村田観弥・前田拓也・坂井田瑠衣・渡邊芳之・浦野茂・渋谷亮・秋風千惠・打浪文子
    • 総ページ数
      384
    • 出版者
      ちとせプレス
    • ISBN
      9784908736308
  • [図書] 認知科学講座3 心と社会2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木宏昭・千住淳・石井敬子・香川秀太・高梨克也・坂井田瑠衣・益川弘如・小野哲雄・長滝祥司
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130152037
  • [図書] シリーズ言語・コミュニケーション研究の地平 外界と対峙する2022

    • 著者名/発表者名
      伝康晴・前川喜久雄・坂井田瑠衣・牧野遼作・砂川千穂・徳永弘子・川口一画・黒嶋智美・清水大地・須永将史・名塩征史・蓮見絵里・平本毅
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823411274

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公開日: 2023-12-25  

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