研究課題
本研究の目的は,何らかの社会的・身体的な非対称性のある人々が共在する場面において,身体的相互行為によって他者への理解が達成されるメカニズムを明らかにすることである.2023年度は,以下の研究活動を実施した.・日常場面や教示場面などにおいて収録した映像データの書き起こしを使用し,本研究課題の探究対象とすべき「理解」が生じている場面について相互行為分析を行い,研究成果を学術論文,著書および関連学会等にて発表した.・研究打ち合わせをオンラインで5回開催した.各回の打ち合わせでは,前年度に引き続き日常場面や教示場面などの映像データを持ち寄ってデータセッションを実施するとともに,日本認知科学会第40回大会に提案したオーガナイズドセッションの企画,最終年度に向けた成果の取りまとめ方法などについて議論した.・2023年9月3-4日に公立はこだて未来大学で開催された人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会(SLUD)第98回研究会にて,特別セッション「地域社会とコミュニケーション」を共催した.2023年9月7-9日に公立はこだて未来大学で開催された日本認知科学会第40回大会にて,オーガナイズドセッション「行為と活動から「理解」を考える」を企画・実施し,研究代表者の坂井田,研究分担者の名塩,遠藤が講演した.2024年2月28日に国立国語研究所で開催された公開シンポジウム「ことば・認知・インタラクション12」を共催し,研究分担者の遠藤が講演した.
2: おおむね順調に進展している
2023年度は,研究代表者と研究分担者の全員が計5回集まって研究打ち合わせを実施するとともに,学術論文,著書および関連学会等において各自の研究成果を発表することができた.また複数の学会・研究会のセッションやシンポジウムを共催することで,研究組織外の多様な分野の研究者と交流し,本研究課題の可能性や課題について多角的に議論することができた.
2024年度は,以下の研究活動を実施する予定である.・「理解」に関する各自の研究成果を学術論文や著書において発表する.・これまで進めてきた文献サーベイの内容を整理し,本研究課題が取り組んできた対象・成果の理論的な位置づけを明確化する.・最終年度における研究成果のまとめとして,和文論文集の企画を検討・提案する.
予定していたデータ収録にかかる物品費の支出が不要になったため,当初の予定よりも使用額が減った.次年度使用額は国内出張の旅費等に充てる予定である.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件) 図書 (1件)
Human Studies
巻: 46 ページ: 723-756
10.1007/s10746-023-09690-6
Research on Children and Social Interaction
巻: 7(1) ページ: 117-151
10.1558/rcsi.23611
Lingua
巻: 291 ページ: 103569
10.1016/j.lingua.2023.103569