研究課題/領域番号 |
22K01882
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
土田 久美子 駒澤大学, 文学部, 准教授 (20553035)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | エスニック・コミュニティ / 汎エスニシティ / アジア系アメリカ人 |
研究実績の概要 |
本研究は、アメリカ合衆国におけるアジア系集団の事例研究を通して、移民またはエスニッ ク・マイノリティ集団の居住および商業的空間であるエスニック・コミュニティの今日的な意義と機能を考察するものである。本研究では、まずは先行研究と理論研究の整理を行うことで論点を明確にしたうえで、フィールドワークを実施する計画である。 初年度である2022年度は、先行研究と理論研究の整理を中心的に実施し、そのうえで2023年度以降に実施するフィールドワークの具体的な準備を行う予定であった。まず理論研究として、エスニシティに関する近年の議論の整理を行った。先行研究に関しては、特にロサンゼルスを中心としたアジア系集団のコミュニティ形成に関する先行研究を整理した。そのなかで特に都市社会学における先行研究を中心的に整理しながらも、歴史学や文化地理学など、社会学以外の関連研究にも目を配った。 それと同時に、アジア系のみならず異なるコミュニティ間の境界線が鍵となるような事例についても先行研究として収集・整理した。特に、複数の集団が連携する事例について歴史学的なアプローチの研究や社会運動論の文脈で分析した研究などについても注目し、整理を行なった。 これらに加えて、フィールドワークのための準備にも着手した。具体的にはロサンゼルスのリトルトーキョー地区について、現在活動しているコミュニティ組織ならびにコミュニティのなかで共有されている課題について情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初から、2022年度は理論研究と先行研究の整理を中心的に行う予定であったため、その点についてはおおむね順調に進んでいる。また、フィールドワークの準備という点についても、日系コミュニティ及びリトルトーキョーに関する情報の収集をこれまでのネットワークをとおして行い、調査対象集団の絞り込みもできている。今後は理論研究や先行研究の整理を継続しながら、フィールドワークの準備を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでの理論研究と先行研究の整理を継続しながらも、より重点的にフィールドワークを実施する予定である。特にこれまでの研究を通してすでにネットワークを築いてきた日系コミュニティを中心に、文書資料の収集、インタビュー調査、参与観察を実施する予定である。 具体的には8月または2月に渡米し、ロサンゼルスのリトルトーキョーに拠点を置きながら調査を実施する計画を立ている。特に、リトルトーキョーのコミュニティに関する意思決定がどのように行われてきたのか、また、どのようなアクターがそのプロセスに参加し、かつそのプロセスに参加する際の要件や課題についても調査を実施する。同時に、リトルトーキョーのなかで現時点で共有されている課題についても明らかにしたいと考えている。加えてその渡米期間に、その後のもう一つの事例調査のための準備(対象集団への紹介を依頼する、ネットワークを築く等)をも行うつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は理論研究や先行研究を重点的に行う予定であったため、割り当てられた予算をそれほど使用せずとも文献や資料 を入手することができた。それに対して2023年度はロサンゼルスにおいてフィールドワークを実施する予定であり、その際の旅費として多くを使用する予定である。フィールドワークにおいては、ロサンゼルス・リトルトーキョー地区のコミュニティ組織を中心にインタビュー調査、コミュニティイベントや集会などでの参与観察を行う。また同時に、2024年度のフィールドワークのためにダウンタウン地区全体やダウンタウン地区の他のアジア系集団に関する情報収集、対象集団への紹介依頼、対象集団への調査依頼などの準備も行うつもりである。
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