研究課題/領域番号 |
22K01895
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 身体 / 医療 / 美容 / 整形 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「医療化」が進展する社会において、美容を目的とする身体加工の社会的意味とそのメカニズムを明らかにすることである。医療が外見をめぐる差別的な意識を促進してはいないかに留意しつつ、人々が美容整形に向かう要因と、逆に抑制される要因を突き止めようとするものである。今年度は文献の探索及びインタビューインフォーマントの獲得に努めた。インタビューは一部実施した。また、著名な美容整形外科医との共同の仕事(ウェブのファッション雑誌による企画、対談)を行うことで、新たな知己を得た。 本科研に関わる論文として「美容整形の現在」『大阪保健医雑誌』670号(大阪府保健医協会)を著した。また国際発表として8月8日にメルボルン大学でプログラムセミナーにて「An international comparison of medicines for cosmetic purposes」を、9月29日にソウル大学日本研究所の国際学術シンポジウムにて「日本における若年層の美容整形」を、12月15日に日仏財団主催のシンポジウムにおいても発表をそれぞれ行った。なお、本科研と間接的に関わる(本科研で得た知見の一部を援用している)論文を『こころの科学』223号(日本評論社)と『社会学評論』Vol.73, No.4(日本社会学会)に著し、同様に間接的に関連する発表を11月12日に日本社会学会大会、11月24日にゲーテ大学(フランクフルト大学)でワークショップで行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一つの理由は、いくぶんか解消されたもののコロナウィルスによる社会的混乱の影響が残っていたことである。例えば、当初計画にあった、「国内における医師、クライアントへのアンケートとインタビューの準備」が十分に進められなかった。 二つ目の理由は、コロナ禍によって延長していた報告者が代表をつとめる別の科研が、最終年度を迎えて総括する必要があり、予定外の研究が当該年度に入ってきたことである。これまで渡航が不可能であったので、できなかった国際発表が可能になったので、年度の後半から複数行なう必要が急遽生じた。それが、本科研の研究計画実施に影響を与えた。 ただし、2023年度は、状況が改善されることが見込まれるので、本科研に注力することが可能になると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
遅れの原因となったコロナウイルスによる混乱が改善される見込みなので、本科研の研究を十全に推進する(遅れている分も取り戻す)ことを目指す。 具体的には、もともと予定していた「国内調査票調査」「インタビュー調査」を推進し、それらの調査分析を通して、人々に美容に向かわせる・抑制する要因を明らかにする。その際に課題となるのは、国内における医師、クライアントなどインフォーマントを確保することであるが、これまでの人脈を活かして新たな情報提供者を確保する。 前年度より行なってきた「関連文献の収集」と「美容整形に関わる雑誌や広告収集」は、継続して行う。 なお、途中経過であっても、論文執筆と発表を行い、国内・国外で研究結果を公表することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅れた理由ですでに書いたが、コロナウィルスによる社会的混乱は、いくぶんか解消されたものの、まだ残っていたため、実施予定だった研究ができなかった。具体的には当初の計画にあった「国内における医師、クライアントへのアンケートとインタビューの準備」が十分に進められなかった。特に医療従事者の多忙により、インタビューの準備と実施がかなりの程度不可能になった。 しかし、2023年度は、コロナによる混乱の状況は、多少改善されることが見込まれる。医療従事者にもインタビューが行えると考えられるので、前年度の繰越の予算はそちらに充てる。 なお、もともと2023年度の研究計画になる調査票調査は、次年度に延長せず、同時に実施する。そして研究推進の遅れは生じないように努める。
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