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2022 年度 実施状況報告書

中国帰国者の境界文化と多文化共生社会の構築:外国人非集住地域に着目した実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01925
研究機関長崎大学

研究代表者

南 誠  長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (70614121)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード中国帰国者 / 境界文化 / 地方都市 / 多文化共生
研究実績の概要

本研究の目的は、外国人非集住地域の中国帰国者の境界文化の実証研究を通して、地方都市における多文化共生社会の構築可能性を探究するとともに、外国籍住民との多文化共生実態を明らかにするための学術的分析枠組みの構築を目指すことにある。具体的には、外国人非集住地域として長崎市と熊本市に焦点を定めて、中国帰国者の境界文化の実態解明と境界溶解の成立条件を探究するために、中国帰国者を生み出すそれぞれの歴史的文脈を明らかにするための史料の収集と分析、中国帰国者へのアンケート調査とインタビュー調査、中国帰国者と外国籍住民の認識と受容態度を明らかにするための一般住民へのアンケート調査と行政関係者等へのインタビュー調査を行う。これらの調査成果をもとに、地方都市における多文化共生社会を構築するための必要条件の抽出と、日本型多文化共生社会の構築に貢献することを目指していく。
初年度の2022年は予備調査として、長崎市と熊本市を中心に、当事者たちを対象にインタビュー調査を行った。またアンケート調査に向けて、長崎在住中国帰国者2世の生活実態と問題点などを踏まえつつ、2022年に実施したパイロット調査で用いたアンケート票の見直しと修正作業を行った。これらの研究活動を通して、中国帰国者を支援する民間団体とのネットワークを構築しつつ、口頭発表を9回(学会の大会のほか、公開講座、公開研究会と公開シンポジウムなどを含む)行ったほか、論文4本の執筆(うち1本は英語、1本は韓国語(近刊予定))にも取り組んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウィルスの影響でインタビュー調査が計画通りに実施できなかった場合もあったが、おおむね計画通りに進展している。

今後の研究の推進方策

研究計画書の通りに、アンケート調査とインタビュー調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じたのは、新型コロナウィルスの影響で主に長崎市内で研究活動を行ったため、使用額が予定より少なかったからである。次年度はこれらの残額を含めて、県外の調査活動および研究集会の開催等を計画する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 7件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] オートエスノグラフィの実践と中国帰国者のアイデンティティの問い─個人史研究の可能性をめぐって─2023

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 雑誌名

      日中社会学研究

      巻: 第30号 ページ: 49-59

  • [学会発表] ある「中国帰国者」の想い:「当事者」として自らの個人史を踏まえて日中交流を問う2023

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      砂川平和しみんゼミ・第4期 「中国を知る――東アジアの平和に向けて日中交流を問い直す 第3回」
    • 招待講演
  • [学会発表] 拘らないことへの拘り:ある中国帰国者三世の生活世界から見えてくるモノ2023

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      公開シンポジウム「オートエスノグラフィーから見る移民の物語:日本を生きる10人の語り」
  • [学会発表] 満州の歴史記憶に関する国際比較研究2023

    • 著者名/発表者名
      南誠・李偉
    • 学会等名
      2022年度第3回「植民地期遺産と歴史認識」科研研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 長崎から日中関係を考える:ある中国帰国者3世の立場から2023

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      長崎県地域・自治体研究所2月例会「長崎県民は中国とどう向き合うか―歴史記憶から日中友好と帰国者2世問題を考える」
    • 招待講演
  • [学会発表] 中国帰国者のナショナル・アイデンティティを問う: 当事者研究の省察を含めて2022

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      カルチュラルタイフーン2022「戦間期から戦後期の北東アジアにおけるエスニシティとトランスナショナリティ:グローカルな視角から問 う」
    • 招待講演
  • [学会発表] 「中国帰国者2世」という問い:祖国帰還の物語の逸脱者2022

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      九州弁護士連合会主催公開シンポジウム「中国帰国者の取り残された課題の解決と日中友好の展望を考える」
    • 招待講演
  • [学会発表] 日中関係と歴史記憶2022

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      公開講演会「日中関係と歴史記憶」(日中友好協会長崎県連合会主催)
    • 招待講演
  • [学会発表] ある中国帰国者3世のオートエスノグラフィ ーー当事者研究をする「私」2022

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      第42回早稲田こども日本語研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 日中交流における「日本人本国帰還者」の意義2022

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 学会等名
      「日中交流の過去と現在」(日中社会学会冬季集会)
  • [図書] The boundary formation between “hikiage” and “kikoku”: the case of the “honkoku kikansha” from China  Svetlana Paichadze, Jonathan Bull End of Empire Migrants in East Asia Repatriates, Returnees and Finding Home2023

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      Routledge
  • [図書] 「『当事者』研究をする『私』のオートエスノグラフィ:カテゴリー化をめぐって」 川上郁雄・三宅和子・岩崎典子編『移動とことば2』2022

    • 著者名/発表者名
      南誠
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      くろしお出版

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公開日: 2023-12-25  

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