研究課題/領域番号 |
22K01947
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
迫田 さやか 同志社大学, 経済学部, 准教授 (30780754)
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研究分担者 |
田村 正興 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (00711590)
和久津 尚彦 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80638130)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / 小児慢性特定疾患治療研究事業 / 医療政策 / 医療経済学 / 慢性疾患 |
研究実績の概要 |
1型糖尿病は、自己免疫学的な機序によりインスリンが欠乏することを成因とする糖尿病で、思春期までの低年齢層を中心に発症し、発症後は生涯にわたりインスリンの自己注射・医療機器による注入が必要となる。先行研究や先発の科研費PJ(18K02176)により、思春期は疾病を隠すため、血糖コントロールが不安定になったり、学校生活のためにアドヒアランスが低下したりすることが分かっている。児童・家族に対する医療費助成「小児慢性特定疾患治療事業」(以下、「小慢」)によって、医療費助成があれば、高価だが高品質である医療機器(CGMやCSII)も享受でき、疾病予後が安定し、社会経済的安定も見込まれる。 しかし、そもそもとして、思春期発症の患者の中でも良し悪しを分ける要因ははっきりとわかっていない。 本研究は、どのような社会経済的条件が揃えば、思春期発症でも予後が良くなるのかについて計量経済学的なアプローチをもって明らかにする。2022年度は先行研究のサーベイを行ってモデル構築をするとともに、ナショナルデータ(保険者データベース(日本全国の健康保険組合から収集された、レセプト・健康診断結果・加入者台帳の情報))の申請をし、モデル構築・データ解析を行った。保険者データベースはデータ構造が複雑のため、まずはデータ構造の把握や記述統計を行っている段階であり、景気変動が医療費支出にもたらす影響を把握することを目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究申請時には、発症時の社会経済的背景に着目し、準・擬似的なパネルデータを作成する予定にしていたが、18K02176での論文投稿の際、レセプトなどのナショナルデータを使用したほうが望ましいというレフェリーからの指摘を受け、方向を転換することとなった。 2022年度は、データを購入し、モデル構築とデータ分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
購入したデータをもとに、1型糖尿病患者の健康が社会経済的帰結にもたらす影響とその交絡因子についての実証研究を進める。 成果については研究会や学会等で報告を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用データのサンプルの代表について指摘があり、データについて計画を変更することとなり、ナショナルデータである保険者データベースを用いることとなり、現在その分析を進めているところである。得られた成果を報告する学会参加のための旅費に使用する予定である。
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