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1、2年目は、社会保障制度のなかでも、社会保険制度の外国人労働者への適用を検討したが、最終年度である今年度は、税を主たる財源とする社会扶助制度の適用について考察した。 台湾は、国際連合に加盟していないが、確立された国際基準を遵守するとして、2009年に市民的及び政治的権利に関する国際規約並びに経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約施行法(公民與政治權利國際公約及經濟社會文化權利國際公約施行法)を制定・施行している。同法は、自由権規約及び社会権規約を国内的に実施するための法律であり、国内法としての効力を有する(2条)等定めており、同法の制定をとおして両規約を遵守するとしている。 外国人への社会保障制度の適用にあたっては、社会権規約9条(「この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める」)が重要となる。海外の専門家による両規約の実施状況に関する審査が、同法施行後、3回にわたってなされたが(1回目〈2013年〉、2回目〈17年〉、3回目〈22年〉)、3回目の審査に至ってはじめて意見が付されることとなった。 立法院(国会に相当)の議事録を調べるなかで、社会保険と異なり、社会扶助制度では「戸籍を管轄する役所に申請する」旨法令で定められているため、戸籍を有しない外国人は、事実上これら制度から排除されていることが明らかとなった。 一方、我が国では、生活保護を除く社会扶助制度では、3か月を超えて滞在する見込みがある者には日本人と同一の制度が適用されている。ゆえに、その点では問題ないといえようが、実際には、言葉や習慣の点から、たとえば、児童への身体的な罰がしつけとされている国の出身者にとっては、行政側が虐待だと説明したとしても、当該家庭の親に理解させるのは困難な事例があることがわかった。
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