研究課題/領域番号 |
22K01953
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
畑 亮輔 北星学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (60632528)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ワーク・エンゲイジメント / 介護支援専門員 / 仕事の要求度-資源モデル |
研究実績の概要 |
2023年度では、2022年度に引き続き介護支援専門員のワーク・エンゲイジメントに関連する「仕事の資源」と「社会の資源」、またワーク・エンゲイジメントのアウトカムなる変数について検討することを目的とした質的研究を実施し、その成果を日本ケアマネジメント学会の研究大会や、介護支援専門員(ケアマネジャー)を対象とした専門誌で発表した。 さらに、質的研究の結果をもとに、介護支援専門員のJD-Rモデル(仕事の要求度-資源モデル)の仮説モデルを構築し、これを検証するためのアンケート調査を作成し、まずは全国調査に向けたプレ調査を実施した。その結果、質的研究の分析結果では介護支援専門員のワーク・エンゲイジメントに関連すると考えられた変数でも統計的には有意な関連が見られないものも確認されたため、これらを加除修正した調査票を作成し、全国調査(全国1,000ヶ所の居宅介護支援事業所の介護支援専門員)を実施した。 そして全国調査の結果をもとに介護支援専門員のワーク・エンゲイジメントに関連する要因やアウトカムについて検証する中で、介護支援専門員にとってのワーク・エンゲイジメントの重要性を提唱するためにはその関係する概念との関連についても検証していくことが必要であると考え、さらなるアンケート調査の実施に向けた準備に取り組むことができた。この追加調査については、調査票を作成し、複数の居宅介護支援事業所を運営するA法人の協力を得てプレ調査まで実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画書でも2023年度中のアンケート調査(全国調査)を予定していたが、予定通り2023年度に調査を実施することができた。またその前提として計画していた質的研究(インタビュー調査に基づいた質的内容分析による介護支援専門員のワーク・エンゲイジメントに関連する要因の検討)も十分に実施したうえで、プレ調査も行ったうえでの全国調査の実施となったため、おおむね計画通り進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は実施した全国調査の結果をもとに介護支援専門員のJD-Rモデルについて統計的分析を用いて実証的に検証していく予定である。具体的には介護支援専門員のワーク・エンゲイジメントに関連する要因と、アウトカム変数とを析出し、論文等で発表していく予定である。 また、介護支援専門員のJD-Rモデルを検証するための全国調査は実施したが、その結果を分析する中でワーク・エンゲイジメントが関係する概念とどのような関係性にあるのか検証する必要性があることを確認し、さらなるアンケート調査を実施することを計画している。2024年度は計画最終年度であるため、アンケート実施だけでなく成果発表も併せて実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通り研究を進めることができているが、20万円弱の差額(未使用額)が生じた。当初研究計画では2023年度にGerontorogical society of AmericaのAnnual Meetingで成果を発表する予定であったが、ちょうど日本にて国際学会であるJoint Congress of ICOH-WOPS and APA-PFAW in JAPANが開催され、ここで成果発表を行ったため外国旅費の予定が国内旅費となったためその分差額が生じた。この差額分の予算については、2024年度中に全国調査を追加で実施する計画としたため、そこで必要となる。
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