研究課題/領域番号 |
22K01964
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
引土 絵未 日本女子大学, 人間社会学部, 講師 (70600724)
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研究分担者 |
毛利 真弓 同志社大学, 心理学部, 准教授 (70780716)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 治療共同体 / アディクション / 研修モデル / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
アディクション回復支援の新たなアプローチとして着目される治療共同体実践であるが、その実践内容は一定ではなく、各領域における共通理解も形成されていない段階にある。本研究課題の学術的な問いは以下の通りである。 日本のアディクション回復支援としての治療共同体モデル実践における必要十分な要素とは何か、そして、治療共同体モデルを実践し継続するために必要な学習内容は何か。 本研究では、日本におけるアディクション回復支援としての治療共同体実践のための研修プログラム開発を最終目標とし、以下の①~③に取り組むこととする。①日本のアディクション回復支援としての治療共同体モデル実践における必要十分な要素を明らかにする。②効果的な治療共同体モデル実践のために必要な学習内容を明らかにする。③前記①②から得られた知見を整理し、日本の現状に即したアディクション回復支援としての治療共同体モデル研修教材を開発する。 2022年度では、日本のアディクション回復支援としての治療共同体モデル実践における必要十分な要素を明らかにすることを目的としたインタビュー調査を実施した。インタビュー調査では、日本国内で治療共同体実践(アディクション領域・司法領域)に関わる臨床家・研究者など13名を対象とし、治療共同体における主要な要素に関する調査用紙(SEEQ)を基盤にインタビューガイドを作成し、日本の実態に即した治療共同体実践の構成要素について、1グループ4~5名のグループインタビューを3回実施した。収集したインタビューデータについて、グラウンデッド・セオリー・アプローチを援用した定性的分析を行なっている。また、得られた知見をふまえた研修の試行的実施では、援助専門職・依存症当事者・家族など55名が参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の通り、日本国内で治療共同体実践(アディクション領域・司法領域)に関わる臨床家・研究者などを対象としたインタビュー調査を実施し、現在インタビューデータの分析中であり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、治療共同体モデル実践のために必要な学習内容の明確化を行う。 調査方法は質問紙調査(郵送法)とし、日本国内で治療共同体実践(アディクション領域・司法領域)に関わる臨床家・研究者など13名を対象とする。調査内容として、国外の実践ガイドを整理し、2021年度で抽出した日本における治療共同体モデル実践構成要素に基づき、研究協力者と開催する研究会にて治療共同体モデル実践のために必要な学習内容とその教授方法を検討する。これらの学習内容と教授方法に関する調査項目を作成し、その必要程度を4件法にて調査票を作成し郵送法にて実施する。調査票にて収集したデータについて、デルファイ法を用いて学習内容とその教授方法を精査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研修の試行的実施において、当初対面参加を予定していた講師が、新型コロナウィルスへの対処としてオンライン参加に変更となり、旅費が不要となったため未使用額が発生した。今年度研修旅費として使用予定としている。
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