研究課題/領域番号 |
22K01983
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
松本 千晴 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (30452874)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 難病 / セルフヘルプグループ / 患者会 / 運営 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、難病セルフヘルプグループ(以下、SHGと記す)の運営が安定するネットワークのあり方を明らかにすることである。2023年度は、A県内の難病SHGの代表者に個別インタビューを行い、SHG運営上の促進要因と阻害要因を明らかにした。インタビューの結果、運営における促進要因としては、【新規メンバーの獲得】【ボランティアの協力】【自治体からの開催場所の提供】【行政や専門職からの支援】【難病関連機関による協力】があげられた。阻害要因としては、【メンバーの活動への非協力的な反応】【運営に関わる担い手・マンパワー不足】【地域の交通網の不便さ】があげられた。これらは、先行文献レビューによる促進要因・阻害要因とほぼ同様の結果であった。インタビューを通して、メンバーの協力はあるものの、代表者(リーダー)に負担が集中し、代表者の運営に対する意欲や考えが、そのSHGの運営のあり方を左右している印象を受けた。よって、代表者が運営に限界を感じた場合、SHGの存続自体が危うくなる可能性が推察された。 また、SHGメンバーの高齢化が進む中、交通網の不便さにより会場までの移動手段がないために、対面での交流会等への参加者が減少している現状にあった。今後は、対面ではない交流の方法も検討していく必要があると考えられた。 次年度も難病SHG代表者へのインタビューを継続して実施し、難病SHGの運営における促進要因、阻害要因についてより豊かなデータを収集したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者1名で他の科研費研究と同時に実施する必要があったため、予定どおりに進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に十分に実施できなかった難病SHG代表者等を対象としたインタビューと、上記対象者によるグループインタビューおよびディスカッションを実施する。 また、実施の際は、難病相談支援センター等の協力を得ながら、対象者の受け入れやインタビュー等がスムーズに進むように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に実施した個別インタビューの件数が計画より少なかったため、それに関する費用が残った。そのため、今年度に計画どおりの件数を実施する。
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