研究課題/領域番号 |
22K01986
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
新藤 健太 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 講師 (00752205)
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研究分担者 |
吉澤 幸 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (30771919)
川端 奈津子 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 准教授 (70770105)
藤本 優 大妻女子大学, 人間関係学部, 助教 (80849399)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 知的障害者 / 地域生活移行 / 実施・普及方略 / プログラム評価 / CD-TEP法 / 効果モデル |
研究実績の概要 |
2022年度は「第Ⅰステージ:実施・普及方略構築のためのアプローチ法」及び「第2ステージ:予備的プログラム評価調査」,「第Ⅲステージ:暫定的な実施・普及方略の構築」に取組む予定であった。 具体的には,既存のEBP実施・普及方略を参照し,本研究の有効な実施・普及方略の仮説を生成すること,GP(Good Practice)事例に関わる実践家,プログラム評価に関わる研究者等で合同のワークショップを開催し,実施・普及方略の仮説について合意形成をすること,GP事例調査を実施して,暫定的な実施・普及方略(①実施・普及活動のゴールとインパクト理論,②実施・普及活動のプロセス理論,③実施・普及活動の効果的援助要素,④実施・普及活動の評価ツール,⑤実施・普及活動の実施マニュアル)作成が目的であった。 これに対して,既存のEBPプログラムのなかから家族心理教育やIPS援助付き雇用をとりあげ「心理教育の立ち上げ方・進め方ツールキット」や「IPS援助付き雇用:精神障害者の「仕事がある人生」のサポート」といった文献を入手し,これらの分析には取り組んだ。この分析を通して「知的障害者の効果的な地域生活移行支援」に関心のある数名のスタッフから始まり,直属の上司,施設長等管理者へと関心を広げていくことの必要性,そのために研修機会やわかりやすい説明ツール等が必要なことが明らかになった。 しかし,現状では,こうした作業から有効な実施・普及方略の仮説を生成し,GP事例調査を実施して暫定版の実施・普及方略を作成するには至っていない。これについては今後の研究で精力的な取組んでいく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究が構築を目指す「効果的な知的障害者の地域生活移行支援(以下,効果モデル)」の実施・普及方略は知的障害者の地域生活移行を推し進めていくために必要なものであるが,これを使って実施・普及を進めようとする「効果モデル」の方に若干の検討が必要であることが実践現場から指摘された。 実施・普及方略の研究を進めつつも,同時に「効果モデル」の検討を行う必要があり,先行研究レビューや実践現場・プログラム評価に関わる研究者との十分な協議が行えなかったことが遅れを生じさせた理由であると分析する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は「第Ⅱステージ:予備的プログラム評価調査」,「第Ⅲステージ:暫定的な実施・普及方略の構築」を終了する。 もともと2023年度には「第Ⅳステージ:全国試行評価調査」も予定していたが,これには十分な準備等が必要なことから,この調査は2024年度に実施することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に予定していた「第Ⅱステージ:予備的プログラム評価調査」を実施できなかったことでこれに想定していた調査旅費や文字起こしの業者委託費を使用することができなかった。 これについては2023年度に実施することで計画通りに研究費を執行できるように努めたい。
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