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2023 年度 実施状況報告書

ASD者の一般就労への移行を補助するアセスメントツールの検討と活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01988
研究機関明星大学

研究代表者

縄岡 好晴  明星大学, 人文学部, 准教授 (80850726)

研究分担者 山口 明乙香  高松大学, 発達科学部, 教授 (00633257)
前原 和明  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (00840365)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード自閉スペクトラム症 / BWAP2 / アセスメントツール / 職業リハビリテーション
研究実績の概要

本研究では、一般就労への移行を支援するアセスメントツールの要素を検討するために、① ASD者の就労支援に関する現状と課題を把握するための先行研究のレビュー ② 先行研究で取り上げられた効果的な就労アウトカム測定ツールであるBWAP2(Backer Work Adjustment Profile 2)の実践事例を実施した。
①については、ASD者が職場で遭遇する主要な課題として、コミュニケーションと対人行動の困難があり、これが就職後も離職につながることが多くの研究で指摘されている。合理的配慮として推奨される措置には、刺激の少ない職場環境の整備、明確な指示の提供、勤務時間の柔軟な設定などが含まれた(Petty et al)。これにより、ASD者が一部の職業技能で高い能力を示していても、その他のスキルが社会生活に適応するのを阻害していることが明らかになり、社会生活や職業生活で求められる能力を評価するアセスメントの実施が重要であることが確認された。
②については、先行研究で有効と紹介されたBWAP2を用いた実践事例を実施し「Work Habits/Attitude」「Interpersonal Relations」「Cognitive Skills」「Work Performance Skills」の4つの下位領域のばらつきを評価し、ASD者の就労上の課題をより明らかにすることができた。さらに、放課後デイサービス事業所、学校、就労支援機関といった就労アセスメントを通じての他機関連携の在り方についても考察した。これらの多様な支援環境が連携し、ASD者が職場で適応する上で課題となりやすいソフトスキルに対して、早期的に包括的な対応ができることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、一般就労への移行を支援するアセスメントツールの要素を検討するために、就労支援従事者に対し、インタビュー調査を行い、質的調査で確認し、論文を投稿する予定であった。しかし、スケジュール調整の関係で、訪問調査の実施が難しくなり、投稿論文は2024年実施へと延期した。

今後の研究の推進方策

2024年度を最終年度とし、質的調査で明らかとなった要因から、質問紙を作成し、量的調査を実施する。そして最終的には、国が実施している「就労選択支援事業の養成研修」のカリキュラムの検討資料として役立たせていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの影響もあり、研究全体の進捗が遅れた。2024年度はコロナウイルスの影響も勘案しつつ、適切に研究(特に質問紙調査の実施及びデータ分析)を進める必要があり、この質問紙調査の実施に予算を使用する予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 7件)

  • [雑誌論文] 実践の中で取り組んでいるアセスメントと課題2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 雑誌名

      職業リハビリテーション

      巻: 36 ページ: 22.23

  • [学会発表] 放課後デイサービス事業所での就労アセスメントの活用例-BWAP2を用いた実践-2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      第19回日本子ども学会
  • [学会発表] Becker Work Adjustment Profile 2 を活用した実践事例2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      第58回日本発達障害学会
  • [学会発表] 発達障害者の就労アセスメント2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      愛媛県健康福祉部主催研修
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障がい児者等の就労に向けた支援計画に活かす! BWAP22023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      沖縄県中部福祉事務所/沖縄県中部圏域自立支援連絡会議就労部会/ 医療法人中部地区障害者就業・生活支援センター花灯/沖縄県発達障害者支援センター主催研修
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障害者の就労アセスメントを考える2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      山口市自立支援協議会主催
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障がい者のライフスキルを考える2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      鳥取県発達障害者支援センター主催令和4年度 発達障がい就労支援スキルアップ研修
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障害の学生等への支援を充実するために‐ソフトスキルの重要性とアセスメント‐2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      仙台市発達相談支援センター主催研修
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障害児のキャリア教育を考える‐教育と福祉との連携‐2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      東京都立江東特別支援学校主催研修
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障害者への就労アセスメント2023

    • 著者名/発表者名
      縄岡好晴
    • 学会等名
      国立障害者リハビリテーションセンター主催研修
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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