研究課題/領域番号 |
22K01992
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
横山 由香里 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (40632633)
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研究分担者 |
米倉 佑貴 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50583845)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | SOC / 高齢者 / COVID-19 / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は、精神健康が良好な状態にある高齢者に共通する要因を明らかにすることである。そのため、①困難な状況に対処し生きる力(sense of coherence、以下SOC)が高い高齢者は精神健康が良好であるとの仮説を立て、精神健康とSOCとの関連性を量的調査で実証すること、②質的調査を行い、SOCの高い人に共通する要因を抽出することを目指してきた。 ①の仮説を検証するために、2022年度に収集したデータ(589人に自記式質問紙を郵送し、441人が回答。回収率74.9%)を分析した結果、SOCが高い住民においては精神健康が良好である可能性が示された。 なお、本研究は通いの場などの地域活動をしている住民を対象にしたため、女性の割合が多かった。2014年度に戸ヶ里らが実施した全国調査(男性954人、女性1099人)では、SOCの平均得点が男女それぞれ14.8点、15.1点であったことが報告されているが本研究におけるSOCの平均得点は、男女それぞれで14.8点(標準偏差3.4)、14.2点(標準偏差4.1)と、女性において全国平均値よりもSOC得点が低かった。地域活動の参加者ではSOCが高いとの報告もあるが、本研究の対象者はSOC得点が低かった。横断研究のため検証できないが、長引くコロナの影響で地域活動への参加ができていない住民も多く、ストレス対処力SOCにもダメージが及んでいた可能性が考えられた。 ②質的調査についても、インタビューデータを整理し、分析を進めた。SOCが高い高齢者は「地域・社会で役割をもって生活していること」、「できないことではなく、できることに目を向けていること」、「コロナ禍に感染予防の重要性を認識しつつも、人とのつながりも同様に重要であることを強く認識していること」などが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に従い2023年度中に分析を進め、成果を公表できたためおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後、量的な調査で得られた成果を論文にまとめ発表する予定である。質的な調査については分析が未完であるため、引き続き分析をしたうえで発表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文や学会での発表の準備中であり、そのための予算が使用できていない。次年度に予算を使用して公表に努める。
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