研究課題/領域番号 |
22K02005
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
梅崎 薫 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50320891)
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研究分担者 |
篠原 純史 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (40752879)
伊藤 善典 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50648326)
萬谷 和広 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 主任 (60597730)
坂本 はと恵 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 副サポーティブケアセンター長 (90588443)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 医療ソーシャルワーカー / 管理的スーパービジョン / 人材育成 / 学会活動 / 組織の風土文化 / 離職防止 / 重層的包括的ケア / 地域 |
研究実績の概要 |
2023年度に、管理的立場にある医療ソーシャルワーカー(以下、「医療SW」)の管理業務に関する現状と課題を明らかにするため、国立病院の管理的立場にある「医療SW」にアンケート調査を行った。管理業務の把握では、Kadushinによる管理的スーパービジョン(以下、SV)の12分類を用いた25項目を4件法で尋ねた。回収は102(65.0%)、SV実施の回答は43名(42.2%)だった。このアンケート調査結果を分析し、日本社会福祉学会誌へ投稿、査読中である。近々、査読結果が得られる見通しである。同様に、この調査結果を分析して、アメリカSociety of Social Work Reseach学会に学会発表として投稿し、査読中である。 回答率は65.0%(102/157施設)。病院の特徴が一致する97病院が分析対象として選ばれたが、全分析対象者97人中、40人しかSupervisionを実施していなかった。総ベッド数、SW実数、性別、年齢で調整してロジスティック回帰分析を行った結果、環境要因よりも個人要因の方が強い相関を示した。現時点で得たデータ分析からは、地域における重層的ケアの構築に貢献するソーシャルワーク・サービスの提供を推進するには、管理的立場の医療ソーシャルワーカーにおける学会活動、スーパービジョン経験が後押しするように見えるが、今後さらに精査する。現在は、アンケート調査結果を、管理的立場の医療ソーシャルワーカーに必要な研修プログラムを開発することを目的に必要な分析を行っており、その結果を日本社会福祉学会に第2報を投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に実施したアンケート調査の協力者で、個別インタビュー調査に協力してもよいと返答が得られた管理的立場になる医療ソーシャルワーカーに行ったインタビュー調査結果の質的分析が終えられていない。個別インタビュー結果の分析に手間取り、今年度早々に着手予定だったデルファイ法によるグループインタビューの実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
個別インタビュー調査結果の投稿、同時に、当初の研究計画に従い、上記の結果を個別インタビュー調査の協力者に返して実施するデルファイ法によるグループインタビューを、遅くとも7月には実施する予定である。
現在までに得られたデータの分析から、管理的立場の医療ソーシャルワーカーに必要な研修プログラムの検討は行っており、予定通りグループインタビュー調査を実施して、実際に必要な研修プログラム内容を確定、計画通り、管理者研修を開催する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー音声データの逐語おこしが不要になり、かつグループインタビューがおくれているため、使用時期が後ろ倒しとなっている。今年度、質的分析ソフトNvivoを購入して分析の客観性を担保するとともに、分析時間も短縮して遅れを取り戻す予定である。
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