研究課題/領域番号 |
22K02031
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
日野原 由未 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (90783556)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 外国人材 / ブレグジット / EU / 英連邦 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、ブレグジット後のイギリスにおける医療・福祉サービス供給体制の再編を通して、イギリスとEU加盟国ならびに英連邦との関係の変化を明らかにすることである。EUと英連邦のなかに位置してきたイギリスが、ブレグジットによって今後、どのように医療・福祉人材の確保を進め、国内の住民の多様性に対応したダイバーシティな医療・福祉サービス供給体制を構築していくのか、英連邦諸国からの人材確保のネットワークを強化するという仮説の下で、EU加盟国との関係にも目を配りながら研究を行う。 上記の研究目的の下、2022年度は、「EUからの完全離脱後のイギリスにおける医療・福祉サービスの受け入れ状況の整理」の第一段階目の作業を行った。医療・福祉サービスを担う人材について、EUとその他の海外からの受け入れが完全離脱後にどのように推移しているかを、統計データを用いて整理した。コロナ禍の人の移動の停滞という特殊事情も考慮したうえで、引き続き完全離脱後のEU加盟国とそれ以外の国との間の人の移動について、とくに医療・福祉人材の移動動向の推移をとらえる必要があることを確認した。また、医療・福祉分野のなかでの多様な専門職の移動について整理する作業についても次年度以降行う必要があることを確認した。上記の統計データの整理以外にも、現地の研究者へのヒアリングのなかで、ブレグジット以降、とくにケアワークの人材確保が困難になっていることがわかった。これは統計データの推移を裏付ける意見でもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地調査を行うことはできたが、感染症の影響もあり予定通りのスケジュールで進めることができなかったため。また、現地の自治体の福祉関連部局にヒアリングを試みたが、先方が業務逼迫下にあり、ヒアリングの調整が不調となったため。
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今後の研究の推進方策 |
可能な限り現地での調査を優先して研究スケジュールを組み立てる。2022年度に予定していた現地の自治体の福祉関係部局へのヒアリングが不調となっているが、今後予定している職能団体へのヒアリングなど、並行してヒアリングの準備を進め、調整できたところから実施することとする。なお、対面以外にも、メールやオンラインの方法も含めてヒアリング実施を行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症の影響で、当初予定していた通りの現地調査等の研究活動ができなかったため。スケジュール調整のうえ、2022年度に実施できなかった調査も含めて研究計画の遂行に努める。
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備考 |
山形大学人文社会科学部国際学術講演会「地域は移民と国民の分断に向かうのか?イギリスと日本から考える」報告「「分断」国イギリスの現状」
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