研究課題/領域番号 |
22K02043
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
古川 和稔 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (90461730)
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研究分担者 |
窪田 佳寛 東洋大学, 理工学部, 准教授 (00614629)
石山 麗子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (80826454)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ケアマネジャー / 在宅要介護高齢者 / 重度化予防 / 在宅生活継続 / ケアマネジメント支援システム |
研究実績の概要 |
2022年度は、「ADL低下を予見するために必要なモニタリング項目の検証」を目的に、全国の居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーを対象にしたアンケート調査を実施した。調査の概要は以下の通りである。 2022年5月13日から2022年7月10日の期間に調査を実施した。全国の居宅介護支援事業所30,631事業所を、都道府県および政令指定都市別の人口比例配分で割り当てたうえで、無作為に1,000事業所を抽出した。この1,000事業所に3通ずつ、ケアマネジャー宛ての質問票を郵送することにより、3,000名のケアマネジャーを対象とした。厚生労働省老人保健事業推進費補助金(老人保健健康増進等事業)によって開発された「適切なケアマネジメント手法 基本ケア及び疾患別ケア」を元に、研究代表者および研究分担者にて質問内容の検討を行い、「ケアマネジャーとして介護サービス事業者から得たい情報」として73項目を抽出した。回答の選択肢は、ものさし付き5件法とした。さらに、利用者のADL低下予防の観点から、介入すべき緊急性が高いと考えられる項目を質問するために、議論を重ねて、前述の73項目から18項目を抽出した。 642通の有効回答を得た(有効回答率21.4%)。その結果、「日常と異なる状態の有無」、「自宅内での転倒の有無」「認知症がある場合、認知障害の状況」、「本人からの訴え」、「介護者のストレス」、「介護者からの訴え」が重要な項目として抽出された。さらに、AI(機械学習)による分析を行った。K-Prototypeによるクラスタリングにより、3つのクラスターに分類した結果、クラスターに関係なく、「認知症がある場合、認知障害の状況」と「自宅内での転倒の有無」の合計が回答の半数以上を占めていた。また、実務経験年数が長く、管理的な立場のケアマネジャーが多いクラスターでは、他のクラスターと比較して、家族介護者の心身状況をより重要視していることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、アンケート調査を実施でき、計画通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2022年度に得られたデータをもとに、経験豊富なケアマネジャー、必要に応じて介護者(家族等)にインタビュー調査を行い、入力するモニタリング項目を確定させるとともに、システム開発を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査は計画通り実施したが、実践現場に行く機会がなかったために、次年度使用額が発生した。2023年度はインタビュー調査に加えて、試行実験を行う予定の実践現場に行き、現状把握と試行実験に向けた準備に取り組む計画である。
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