研究課題/領域番号 |
22K02055
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
池田 佐知子 西九州大学, 看護学部, 准教授 (70640275)
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研究分担者 |
黒田 研二 西九州大学, 健康福祉学部, 教授 (70144491)
石井 陽子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 准教授 (20737390)
田北 雅裕 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (20551550)
南里 真美 西九州大学, 看護学部, 助教 (70883346)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 里親子 / 地域 / 民間協働 / 重層的養育支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、福岡市で2018年から里親主導で取り組みはじめた、ベテラン里親を中心とした地域の里親子のネットワーク内でのピアサポートと地域の施設の里親支援専門相談員やNPO法人による専門的サポートを組み合わせ、さらには児童相談所と定期的に連携する重層的なチーム養育支援システムについて、里親子、支援施設、里親支援専門相談員、及び児童相談所職員に与える影響について検証するとともに、導入の流れとシステムの継続に必要な要素を明らかにし、他の自治体への導入に向けた条件を明らかにすることである。 2022年度は、2か月に一度の、ベテラン里親と里親支援専門員の相談員の会議と、前述のメンバーに施設長と児童相談所里親担当が加わった話し合いの実施を支援し、インタビュー内容の検討を行った。また、「日本子ども虐待防止学会ふくおか大会」において、里親支援専門相談員4名と里親2名とシンポジウム「福岡市における里親支援専門相談員の役割と課題について里親と主に考える」と題して本システムの内容を盛り込んだ内容で企画開催を行った。このことにより、本システムの重要性と課題が明確となり、インタビュー項目検討がスムーズに行えた。さらに、学会の場で研究分担者との話し合いの場をもち、目的共有を図ることができた。一方、本システムの取り組みに対して、報道機関からの取材が2件あり、2022年6月には西日本新聞に取り上げてもらい特集記事となり、里親支援への関心を高めるとともに、本システム継続への意欲を高めることができた。年度末の3月にインタビューに向けて倫理審査委員会の審査を終了し、来年度の実施の準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年12月ごろまでコロナ禍にあり、倫理審査前の下調べとしての県外でのインタビュー活動を控えていたため、やや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、支援を継続している「福岡市の重層的里親支援システム」実施中の里親、里親支援専門相談員、施設長及び児童相談所職員に、インタビュー調査を実施するほか、岡山県の里親や支援者に対し、研究分担者とともにインタビューを実施することとしている。また、収集したデータを、質的研究として、内容分析及びテキストマイニングによる分析の準備のためのデータを整えることを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度にインタビューを実施する予定で、旅費や謝礼購入代金の支出を予定していたが、新型コロナ感染症の流行が継続したため、実施できなかった。また、岡山県への出張も控えたため打ち合わせができず、それらのことから、次年度に繰り越すこととなった。2023年度は、岡山県での打ち合わせを実施するほか、対象者へのインタビューを実施するため、謝礼品の購入や旅費として使用する予定である。
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