研究課題/領域番号 |
22K02076
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
小高 真美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (60329886)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自殺予防 / ソーシャルワーカー / ポストベンション / 支援者支援 / 事後対応 / PTSD |
研究実績の概要 |
本研究では、福祉事業所や病院等において、クライエントの自殺が起きた際にソーシャルワーカーが活用できる対応マニュアルの開発を最終目標とする。 2022年度は、その基礎情報を得るため、以下を明らかにすることを目的とした調査を計画した。①ソーシャルワーカー(SWr)の、自殺や自殺予防に関する基本的な知識やスキル、②クライエント(Clt)の自殺死亡を経験した直後のSWrのPTSD関連症状、③PTSD関連症状を予測する因子、④Cltの自殺死亡が起きた際のSWrや組織による対応と課題、⑤Cltの自殺死亡直後に求められる支援者支援やその課題。 対象は東京社会福祉士会の全会員約4000名である。調査内容は、①自殺予防ゲートキーパー知識・スキル評価尺度:GKS(小高ほか 2022)、②自殺に対する態度尺度日本語版:ATTS日本語版(Kodaka et al. 2013)、③Cltの自殺に関する経験の有無、④Cltの自殺に関する経験、⑤改訂出来事インパクト尺度日本語版:IES-R(Asukai, et al. 2002)、⑥Cltが自殺で亡くなった後の支援、⑦自殺対策に関する経験、⑧対象者の属性、である。 本調査では対象者にCltの自殺死亡時の状況を想起してもらう。その際、対象者の苦痛を最小限にとどめるため、調査内容や調査方法について研究協力者と協議を重ねるなど、慎重に調査の準備を進めた。そのため、調査開始時期が当初の計画よりもやや遅れたが、2023年6月に調査を開始できる準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施予定の調査において対象者の苦痛を最小限に抑えるために、当初の予定よりも時間をかけて慎重に準備を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
ソーシャルワーカーによるクライエントの自殺の経験やその後に求められる対応・支援に関する調査を2023年6月に実施する予定である。5月上旬には研究協力依頼チラシが完成し、下旬までにウェブ調査のフォーマットが完成する。6月1日より1か月間、ウェブ調査を行う予定である。7月にデータクリーニング、8月にデータ分析、9月に成果報告の準備を開始する予定である。また同じ時期に、同テーマに関するインタビュー調査の準備も進める。ウェブ調査とインタビュー調査の結果を基礎資料として、クライエントの自殺が起きた際にソーシャルワーカーが活用できる対応マニュアルを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に実施予定であった調査を次年度に実施することとなったため、同調査に要する額を次年度に使用することとした。2023年6月に調査を開始する準備は整っている。
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