研究課題/領域番号 |
22K02080
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
中西 英一 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (40388707)
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研究分担者 |
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
高木 健志 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (40413512)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 精神障害者に対するスティグマ / スティグマ低減プログラム / セルフスティグマ / 協同創造 / 対話 |
研究実績の概要 |
本研究課題においては、対話を通じた協同創造を通じて学生・一般市民・医療福祉従事者、市役所職員の精神障害に対するスティグマを低減すること、また精神障害者自身のセルフスティグマを低減することを目的としている。 2022年度はこれらの介入の実施を計画したが、新型コロナウイルス感染症の感染防止のために多くの参加者が対面で介入プログラムに参加することが困難であり、介入プログラムを実施することが困難であった。 このため、スティグマ低減に関する先行研究のレビューを実施した。先行研究からスティグマ低減プログラムには教育や接触体験など様々な方法があるが、生物学的因果関係を説明することによって否定的な態度がもたらされること、ビデオなどを用いたプログラムも開発されているがまだ実証的な効果は未定であることが示唆された。そして、スティグマを大幅に低減するためには精神疾患の回復可能性、多くの社会的接触、協同作業、パートナーシップなどが必要であることが理解された。これらのことは、本研究課題が有効である可能性を示唆している。また、身体障害におけるスティグマの程度を理解するために第57回日本脊髄損傷学会に参加しスティグマの状況を調査した。精神科領域のスティグマとの違いで一番大きな点だと感じた事は、再生医学や医療の進歩と共に、当事者の方が再び歩く事ができるのではないかと、患者や家族、関わる医療者が強く希望持っていることである。以前に実施した保健医療技術学部の学生と精神障害者に実施したスティグマ低減のための対話を通じた協同創造プログラムの結果をまとめて国際雑誌に投稿しアクセプトされた。また、これらの成果を日本社会精神医学会で報告した。 2023年度の介入研究実施に向けて、実施可能となる会場の手配も行い、学生や一般市民、市役所職員などの参加者の依頼をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染で施設に所属する精神障害者や学生が一カ所に集まって対話や協同創造を行うことに対して参加を見送ることが見られたため当初予定していた介入を実施出来ていない。今年度はコロナウイルスも5類になり、学生や一般市民、精神障害者などが対面による参加が可能になると思われ、介入を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた精神障害者当事者の体験談を聞くことによる学生のスティグマが低減するのかを実施し、その後本研究で実施している対話を伴う共創によるスティグマ低減プログラムを実施する。また一般市民や市町村などの公共団体の職員に対するプログラム実施を行い、このプログラムの適応可能性を吟味する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染で施設に所属する精神障害者や学生が一カ所に集まって対話や協同創造を行うことに対して参加を見送ることが見られたため当初予定していた介入を実施出来ていない。このため、会場費や謝金などに研究費を使用できなかった。このため次年度使用額が生じた。今年度はコロナウイルスも5類になり、学生や一般市民、精神障害者などが対面による参加が可能になると思われる。このため2022年度の未使用額は会場費35,000円、国際学会への演題登録も行っているため、旅費として150,000円を計上する予定である。
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