研究課題/領域番号 |
22K02095
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
西崎 実穂 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (90610957)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アフォーダンス / RPG / 可視化 / 習慣化 / 事故予防 |
研究実績の概要 |
本研究は乳幼児の不慮の事故削減を目的に、家の中の「状況」を可視化することによって乳幼児の家族に向けた事故に対する理解を深め、さらに予防行動を習慣化するシステム構築を目指す。具体的には、これまで取り組んできた縦断的観察による動画を基に、(1)事故要因の特定、(2)状況別要因の可視化による予防行動の「習慣化」支援ツール開発、(3)情報のリアルタイム共有システム構築を行う。 今年度(2022年)は,(1)事故要因の特定に係る調査として、10代から70代までの90名に対して家の中の日用品に対する意識調査を実施した。日用品は乳幼児期に多い事故に関わる物を取り上げた。結果、対象物の標準寸法と回答された推定寸法との差が生じ、寸法感覚のズレが明らかになった。(2)状況別要因の可視化による「習慣化」支援ツール開発については,昨年度までに作成した動画、画像、テキストデータから成るデータセットを用い、「寸法」に焦点を当てたプロトタイプを作成した。試験的に運用を行い、利用方法と内容についての課題、今後の継続的な運営を目指した方法を検討した。 また、縦断的観察によるデータの追加については、新規1名の乳幼児のデータを収集中である(来年度も継続)。さらに、来年度開始の協力者1名の内諾も得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
行程(2)状況別要因の可視化による「習慣化」支援ツール開発を進めるにあたり、動画からのデータ抽出や必要項目のデータ化を人力のみで行う初期段階の精度が不十分であったことがわかり、作業のやり直しに時間を要したため、全体的にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は全体的な業務の効率化を目指し、データの分析と開発に取り組む時間を設ける。多くの時間がかかる作業の一つとして、動画からの該当場面の抽出や必要項目の数値・テキスト化を中心としたデータ化がある。中でも、人力で行う初期段階の単純作業の内容にばらつきが生じ、その後の行程に影響を及ぼしていたことが分かった。この改善策として、初期段階に作業の自動化(主にデータのクレンジング、画像編集、スクレイピング)、部分的にAIによる物体認識の導入を行い、時間短縮と精度の向上を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費については、学会発表2件(国内と国外)がオンライン発表可能となったため、予定額を変更した。謝金についても予定していた観察協力者に変更が生じ、減額した。これらの変更額を来年度に注力する開発と新規観察協力者の費用に回すこととした。
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