研究課題/領域番号 |
22K02105
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研究機関 | 相愛大学 |
研究代表者 |
品川 英朗 相愛大学, 人間発達学部, 教授 (60551067)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 咀嚼・嚥下 / MRI / 生理学 / 栄養学 / 生体医用工学 |
研究実績の概要 |
本年度は、実際に実験で使用するためのとろみ調整食の定性、定量評価を行った。特に、MRI撮像の際に、とろみ調整食が口腔咽頭領域をどのように流動するかについて4次元的に評価するためには、とろみ調整食自身の画像の信号強度(S/N)を上げる必要があるため、検討を行った。また嚥下時のMRI画像を立体構築するための検討も行った。特に立体構築で問題となるのが、各断面が異なるセッションでの撮像となるため、モーションアーチファクトや嚥下のタイミングなど、その打開策を検討した。具体的な内容については下記に列挙する。 ①とろみ調整食の評価:様々なとろみ剤・ゲル化剤を用いた3タイプ(とろみ1、とろみ2、とろみ3)のとろみ調整食について、LST(line spread test)測定を行い、物性評価も行った。②画像の信号強度(S/N)を上げるために、鉄(Fe)あるいはマグネシウム(Mg)を含む飲料水に、とろみ剤・ゲル化剤でとろみをつけて、どのような物性変化があるのかを検討した。③1回嚥下時の適量に関する評価を行った。被験者により1回嚥下量が違うため、できるだけ1回嚥下量が多い被験者をMRI実験での被験者とするのが良いと判断した。④MRI動画を用いて嚥下時の様子を可視化するために、画像解像度および画像枚数について再考し、最大撮像枚数(25.6fps)での撮像を検討した。また矢状断面および左右断面による立体構築のために、以前撮像した発話時のデータを再構築し、嚥下でのシークエンスとして適用できるか再考した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実際に実験を行っていく中で、様々な課題が生じたため、それらを含めて、実験測定について再考している。使用するMRI機器(3T Siemens Prisma)も混み合っており、当初の予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、下記とする。 ①MRI実験で使用する予定のとろみ調整食について、B型粘度計やクリープメーターを用いて数値化する。 ②官能検査を行い、実際に実験で使用するとろみ調整食において、どのとろみ剤、ゲル化剤を用いた場合が、データ採得する上で、また被験者にとって、一番よいのか、比較検討を行う。 ③MRI機器(3T Siemens Prisma)にて、シークエンスや画像撮像の位置などの調整を行い、3次元および4次元での撮像を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、実験遂行にあたり、修正すべき課題に直面し、当初の予定通りできなかった。次年度は、計画に基づいて履行していきたい。特に次年度前半に、B型粘度計を購入する予定である。
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