研究課題/領域番号 |
22K02112
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
村田 芳博 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (40377031)
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研究分担者 |
奥谷 文乃 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (10194490)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 辛味 / 検知閾値 / 三叉神経 |
研究実績の概要 |
研究代表者らは、カプサイシンの口腔内検知閾値はその個人差が大きく、三叉神経支配領域の舌前方で低閾値群と高閾値群が存在すること、その閾値の違いは辛味受容体遺伝子の一部(TRPV1)の既知SNPと相関があることをこれまでに報告した。これらの報告では検知閾値を測定する方法として濾紙ディスク法を用いた。濾紙ディスク法は本邦において保険適用される味覚検査法(4基本味の認知閾値測定法)として用いられているが、口腔内の様々な部位に特異的な閾値測定が可能な半面、検査手技には一定の技術が求めれる。本研究では濾紙ディスク法と比べてより簡便に閾値測定を行う方法を確立するため、前年度に引き続き、ドイツで開発された味覚検査法として知られるTaste Strips法を用いてカプサイシンの口腔内検知閾値測定を試みた。その結果、今年度の被験者グループ[Taste strips法で測定した4基本味の認知閾値が正常であった若年健常成人112名(男性64名・女性48名)]において、カプサイシン検知閾値のヒストグラムは、過去に報告した濾紙ディスク法による結果と同じく、検知閾値の個人差は大きく、低閾値群(0.08 μMをピークとするグループ、25名)と高閾値群(2.5~5 μMをピークとするグループ、87名)が存在することが分かった。この結果は辛味検知閾値分布が二峰性を示すという前年度と同じ傾向であったことから、口腔内化学感覚の検知閾値測定においてTaste strips法は有用な方法であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
閾値検査法の改良など当初の予定通りで進められている。
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今後の研究の推進方策 |
脳波測定・解析の条件検討を本格的に進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の成果発表について準備に時間を要しているため繰り越すこととした。今年度その経費として使用する予定である。
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