研究課題/領域番号 |
22K02114
|
研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
飯島 美夏 四国大学, 生活科学部, 教授 (40367876)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 多糖類 / ヒドロゲル / 熱的性質 |
研究実績の概要 |
多糖は地球上に最も多量に存在するバイオマスである。多糖は僅かな化学構造の違いで、水との相互作用が異なる興味深い物質である。多くの水溶性多糖は、 温度変化、イオン添加、複数の多糖の混合など種々の条件下で水素結合やイオン結合を形成してゲル化するが、凍結-解凍法によるゲル化に関しては、非常に容 易な方法であるにもかかわらず、まだほとんど研究が行われていない。これまでの申請者らの研究では、一部のガラクトマンナン多糖のみが凍結-解凍法による ゲル形成が明らかになっているが、その構造に関しては未知の点も多い。また、多糖ヒドロゲルは非常に多くの水を含有しており、多糖分子と水との相互作用が ゲル化に関与していると考えられる。凍結-解凍法によるゲル化に関する知見を深めれば、未知多糖の新たな利用分野が広がる。本研究では凍結-解凍法による植 物由来多糖のゲル化と熱的性質を検討し、食品等へ応用の途を広げることを目的としている。 本年度は、主にバイオマス、多糖類、水、ヒドロゲル、熱分析をキーワードとする近年の論文検索並びに論文収集を中心に行なった。世界各国の研究者の最新の研究動向を得ることができた。また、各種多糖/水系に関係する熱分析データの解析を行い、論文を投稿した。査読者との過程で、多糖に微量の水が吸着した時の水の挙動に関して、様々な学説があることを議論した。特に束縛水領域での水の熱的挙動は特徴的であることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者の家庭の事情により、研究環境整備に時間を要し、本研究費申請の示差熱熱重量同時測定装置の設置に至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
多糖ヒドロゲル形成機構および多糖/水系の熱的性質に関する論文検索をさらに進め、論文を読み込み、国内外の研究状況を把握した上で、実験を進める。凍結-解凍法を用いた多糖ヒドロゲルを調製し、その水分蒸発機構を検討し、ヒドロゲルの高次構造を明らかにする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度設置予定の示差熱熱重量同時測定装置の設置が遅延したため、次年度設置予定である。
|