研究実績の概要 |
本研究では多様な体型の着用者に対して、着用者のバストライン、ウエストライン、ヒップラインの高さが与えられた時の衣服着装により見映えが向上する衣服の各ラインの範囲を明らかにする。ワンピースを対象とし、各ラインを変化させたパターンとアバターを用いた衣服シミュレータによるシミュレーション結果を官能評価し、見映えが向上する際の、人体寸法とパラメータ間の法則を探る。 本年度にはアパレルシミュレータを用いて 20 代女性の平均身体寸法で作製したアバターの、ヒップとウエストを変更した異なる4つの体型 9AR, 9YR, 9ABR, 9BRを作製した。各体型のボディのウエスト高(以下BWL)を、基準から1.25cm と2.5cm 上下させたアバターを作製した。ワンピース着用による影響を調べるために、アバターのみの評価を行った。同体型でBWL の異なるボディ5 体ずつを「脚が長く見える」「くびれて見える」「ヒップが小さく見える」「痩せて見える」「スタイルがよく見える」「魅力的である」の6 項目について、正面・側面・背面からの順位付けを行った。被験者は、20 代日本人大学生20名とした。 評価結果、9AR、9ABR は基準 BWL、9YR、9BR は基準より 上の BWLが、「魅力的」の評価が高い結果となった。また、「脚長」はBWLが高い程、「痩せ」はBWL が低い程、「スタイル」は基準BWL が、評価が高い結果となった。体形によるウエストラインの位置の違いがアバターの印象に与える影響が明らかになった。
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