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2023 年度 実施状況報告書

未病ケアを志向した薬膳素材のオートファージー制御機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K02149
研究機関長崎国際大学

研究代表者

藤井 俊輔  長崎国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10610165)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード抗肥満作用 / 抗炎症作用 / オートファジー / 薬膳 / 生薬
研究実績の概要

オートファジーの破綻が種々の疾患の引き金となっていることが注目されている。東洋医学において、平素の食事による健康管理・増進を目的とした「薬膳」は、未病ケアの一つに位置付けられているが、薬膳素材を用いた疾病予防とオートファジーの関連性を報告する研究は皆無である。そこで本研究では、①前駆脂肪細胞(3T3-L1)を用いた脂肪滴の蓄積抑制作用、②マクロファージ様細胞(RAW264)を用いた抗炎症作用を活性評価の指標として、これらの機能性とオートファジーの関連性について精査した。

①3T3-L1細胞を用いた脂肪滴蓄積抑制作用:昨年度までにオウレンやオウバクの主活性成分であるベルベリンにおいて、濃度依存的な脂肪滴の蓄積抑制効果を確認している。そこで今年度は、有機化学的手法を用いて12種類のベルベリン誘導体を合成し、脂肪滴の蓄積抑制作用を調べた。その結果、ベルベリンを含め計2種の化合物において脂肪滴の蓄積抑制作用を見出した。さらに、オートファジー関連マーカーとしてLC3-Ⅱの発現量を調べたところ、処理濃度依存的に、また処理時間依存的に発現低下を確認した。したがって、本現象はオートファジーの抑制が関連することが示唆された。

②RAW264細胞を用いた抗炎症作用:昨年度までにNO産生抑制能を指標として生薬・薬膳素材のスクリーニングを行ったところ、ケイヒの粗抽出物においてNO産生抑制作用を認めた。さらにケイヒ粗抽出物を用いて精査を行ったところ、PGE2産生抑制および、iNOS、COX2の発現低下を確認した。さらにLC3-Ⅱおよび、p62を指標としてオートファジー制御能について調べた結果、経時的なタンパク質発現の増加を認めたことから、ケイヒ粗抽出物はオートファジーを促進することで、抗炎症作用を発揮する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験条件の検討に想定以上の時間を費やしてしまったが、本研究計画2年目のマイルストーンはほぼ達成できており、概ね当初の研究計画通りに研究は遂行できている。

今後の研究の推進方策

今後の研究において、抗肥満作用および抗炎症作用とオートファジーとの関連についてより詳細な検討を実施する。具体的には、オートファジーフラックスアッセイの実施を行うと共に、オートファジー阻害剤および促進剤を用いて、オートファジーとそれぞれの活性との関連性を明らかにする。

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公開日: 2024-12-25  

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