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2023 年度 実施状況報告書

減圧マイクロ波技術の応用による乾燥果実の品質特性デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 22K02151
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

安藤 泰雅  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (30736781)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード減圧マイクロ波乾燥 / 乾燥果実 / 品質設計 / テクスチャー / X線CT / 主成分分析
研究実績の概要

本課題は、減圧環境下でマイクロ波を利用する技術の応用により、乾燥食品の食感や味・香りを自在に設計する技術の構築を目的としている。令和5年度は、減圧マイクロ波乾燥における予備凍結の効果および乾燥中の低温制御・高温制御が品質に及ぼす影響について検討を行った。リンゴを用いた乾燥実験では、多孔質な構造を形成する予備凍結後の減圧マイクロ波乾燥試料および真空凍結乾燥試料は低い水分活性値を示し、それらの試料では高いクリスプネス指標を示した。一方で、乾燥時の収縮が大きく空隙率が低い乾燥試料は高い水分活性を示し、これらの試料は低いクリスプネス指標を有していた。これらの結果は、乾燥中の試料収縮は水分蒸発を妨げ最終水分率を上昇させるとともに、力学特性の形成にも影響を及ぼすことを示唆している。また、乾燥試料の中心部だけではなく表層部の空隙構造がテクスチャー特性と密接に関与することを明らかにした。さらに、予備凍結試料における色彩の保持には、常圧で解凍せず、凍結状態で減圧マイクロ波乾燥に供する方法が有効であることを明らかにした。イチゴを用いた実験では、マイクロ波の出力制御により低温制御(30℃)、高温制御(70℃)による乾燥を行い、制御温度の違いが品質特性に及ぼす影響について検討した。これらの温度制御は内部空隙構造とテクスチャー特性に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、GC-MSを用いた成分分析を用い、異なる温度制御の減圧マイクロ波乾燥法および従来乾燥法によって加工された乾燥試料の品質特性の違いを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、試料温度制御の試験を実施し、低温制御、高温制御の違いによる品質特性への影響について明らかにし新たな知見を得ることができたため、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、前年度に見出した温度制御条件を基に、異なる温度履歴で乾燥した試料の多成分分析を進める。それぞれの乾燥温度・方法で特徴的な成分を明らかにすることで、乾燥試料の香り等の形成メカニズムを解明し、特定の特徴を持つ乾燥試料を得るための温度制御条件を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

実施予定であった多成分分析の一部を翌年度に繰り越すこととなったため未使用額が生じた。未使用額は前年度に実施する予定であった分析に要する費用に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Effect of prefreezing on surface color and structural and textural properties of kiwifruit after microwave-vacuum drying with temperature control by microwave power manipulation2023

    • 著者名/発表者名
      Ando Yasumasa、Okada Takeyuki
    • 雑誌名

      Food Science and Technology Research

      巻: 29 ページ: 453~463

    • DOI

      10.3136/fstr.fstr-d-23-00100

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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