現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は,1年目のZnCaHapのUV吸収能についての成果が,国際誌Colloids and Interfaces, 7, 70, (2023). Doi: org/10.3390/collods7040070, MDPI, I.F.:2.4)に論文掲載された。また,(一社)日本家政学会第75回大会で口頭発表により報告した。本研究の成果の公表および情報発信が確実になされているものと言える。実験面では,ZnとTiの両方を含有するZnTiCaHap固溶体粒子を合成し,UV吸収能を調べた。Zn/(Zn+Ti+Ca)が0.30まで,Ti/(Zn+Ti+Ca)が0.05までの種々の含有量のZnTiCaHap粒子を合成し,結晶相をXRDにより,形態をFE-SEMにより,原子比率をEDS分析により,UV吸収能をUV-vis(反射法)により調べた。3種類の陽イオンを含有する場合は,ZnCaHapやTiCaHapなど2種類の陽イオンを含有する固溶体とは含有限度が異なったが,純粋なHap結晶が得られる条件を調べられたことや,ZnおよびTi含有量と粒子のUV吸収波長との関係を調べられたことは大きな成果と言える。総合的な判断として,Zn/(Zn+Ti+Ca) = 0.25,Ti/(Zn+Ti+Ca) = 0.03のZn25Ti3粒子を布のUVカット加工に最適な粒子と2年目に決定できたことは,本研究の順調な進行状況を示している。加えて,得られたZn25Ti3粒子は,これまでの研究で布への担持に適しているとされたナノメートルオーダーの粒子であり,最終年度の布のUVカット加工とその評価に向けて十分準備が整っていると言える。
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