研究課題/領域番号 |
22K02159
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
前川 佳代 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 協力研究員 (70466415)
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研究分担者 |
森 由紀恵 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 協力研究員 (70397842)
宍戸 香美 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 協力研究員 (00637861)
宮元 香織 北九州市立自然史・歴史博物館, 歴史課, 学芸員 (80435908)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 古代菓子 / 古代スイーツ / 甘葛煎 / 古代甘味料 / 芋粥 / ツタ / ミセン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、先に実施した「日本古代菓子の実態解明と再現活用の研究」(19K02356)において実態を明らかにして再現できた古代菓子が、どのような場でどのように提供され、楽しまれたかを明らかにすることである。すなわち、①日本古代菓子の飲食法・供膳様式の解明、②日本古代菓子の再現と日本全国での甘葛煎研究、③甘葛煎の味覚再現、甘葛煎を使用した古代菓子の再現、④日本古代菓子の供膳様式を含めた活用と普及、である。①は具体的に儀式(宗教儀式を含む)、行事、宴会、供膳具から検討していく。②~④は奈良や各地の地場産業にも成りうる。現代に再現した古代菓子を古代スイーツとして、日本各地でそれぞれの古代スイーツを創造し地域活性に役立てられることも目的である。 本年は次のことを行った。 ①に関して11世紀に岩手県北上川中流域を支配した安倍氏の厨川柵に近い盛岡市赤袰(あかもたい)遺跡出土の土器様式について調査した。器台と椀がセットになることを確認した。③の古代甘味料の甘葛煎の味覚再現については、奈良県農業研究開発センターの協力を得て、詳しい分析と試作、官能試験を行った。甘葛煎を使った古代菓子の再現では、芋粥を作った。すなわち『今昔物語集』が記す調理法で、煮詰める前のツタの樹液(ミセンという)に薄くスライスした大和芋を入れて軽く煮た。現在でも通用する美味しさであった。②④に関して、奈良時代の古代菓子の実態が明らかとなったため、奈良時代の菓子を古代スイーツとして再現レシピを作り、平城宮のイベントや、奈良市内のカフェでは古代スイーツアフタヌーンティーとして提供できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
さまざまに研究成果は挙がっているものの、新型コロナウイルス感染症による行動制限や、研究分担者のなかには家族が罹患した者もおり、予定していた資料調査が充分に遂行できなかった事実がある。そのためこの評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的の①日本古代菓子の飲食法・供膳様式の解明、②日本古代菓子の再現と日本全国での甘葛煎研究、を充実させていく。特に①は儀式(宗教儀式を含む)、行事、宴会、供膳具について、具体的に史料や発掘調査成果などから資料を収集する。③の甘葛煎の味覚再現は、成分分析の結果をもとに試作と官能試験を繰り返し、完成に近づける。全国における甘葛煎再現実験については、新型コロナウイルス感染症の行動制限が無くなったことからも、各地で実験できるように手配したい。また代表者は古代菓子を古代スイーツとして手軽に作ってもらえるようレシピを作っており、その内容を充実させる。普及活動としてのワークショップは飲食を伴うことからコロナ禍では難しかったが、これからやり始めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による行動制限によって資料調査や甘葛煎の再現実験のために各地へ出向けなかったことなどが次年度使用額が発生した根源である。 今年度は行動制限もなくなったため、計画的に史料調査や再現実験、ワークショップなどを行っていきたい。
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備考 |
前川佳代監修、NHKEテレ歴史デリバリー「いつからかき氷がお好き?」放送日2022年9月3日。宮元香織「講座 おかしな考古学」北九州市立生涯学習センター、2022年11月12日。島原弘征「平泉町歴史教室 平泉のトイレ遺構」平泉町学習交流館エピカ、2023年2月20日。
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