研究課題/領域番号 |
22K02187
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
杉村 留美子 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (70285500)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 牛乳 / 血糖値抑制効果 / Free Styleリブレ |
研究実績の概要 |
前年度の研究で牛乳の食前摂取による血糖値抑制効果に関する効果を得た。そこで、摂取する量を検討すべく、1杯量(200g)と1口量(20g)を設定し、摂取量の違いによる食後血糖値の抑制効果について検討した。対象は、20代の健常女性13名とし、日本Glycemic Index研究会の血糖値測定プロトコルに従って実施した。基準食は白飯200gとし、試験食に牛乳200gと20g、対照としてプロテインドリンク(SAVAS)194gと20gを設定した。炭水化物量を揃えるため、基準食の摂取量を調整し、たんぱく質量はプロテインドリンクの摂取量を調整して牛乳に揃えた。飲むタイミングは基準食を摂取する直前とし、クロスオーバー試験とした。血糖値の測定はFree Styleリブレを使用し,基準食摂取から15分,60分以降は30分間隔とした。欠損値のあった1名を除外し、12名を対象とした。結果は、空腹時を基準とした血糖値の最大変化率は,基準食80.9%(基準食摂取から60分後)に対し,牛乳200gは80.4%(同60分),牛乳20gは81.7%(同60分),プロテインドリンク194gは55.8%(同45分),プロテインドリンク20gは69.5%(同45分)であった(いずれもn.s.)。経時的な変化率から算出した血糖値曲線下面積は,基準食6057±2131mg/dl×minに対し,牛乳200gは5513±1968、同20gは5946±2257,プロテインドリンク194gは4676±2033,同20gは5769±2154となり、プロテインドリンク194gが最も低い値となった。直前に牛乳を飲むことによる血糖値の抑制効果はみられなかった。しかし、基準食に比べて60分からの血糖値の下がり方は牛乳が早い結果となった。これらは、牛乳のたんぱく質によるインスリン分泌特性によるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
牛乳の血糖値抑制効果に加えて、食物繊維の豊富な食材(食物繊維を多く含む市販のドリンク、おから)による血糖値抑制効果に展開することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、食後血糖値抑制の効果がみられたドリンクから食べ物へと展開し、食物繊維やたんぱく質を多く含む食品の効果は得られると推察できるため、食品単体ではなく、実生活に即した料理レベルでの効果の検証を進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
リブレセンサーの在庫があったため、被験者の人数よりも少ない購入で賄うことができたことによる残金である。翌年度は、最終年度となるため、学会発表や論文作成のための費用に充てていきたいと予定している。
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