研究課題/領域番号 |
22K02189
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
鈴木 一恵 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (10838791)
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研究分担者 |
斎藤 トシ子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40339958)
石上 和男 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 教授 (60092665)
渡辺 優奈 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (90771072)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自立高齢者 / 低栄養 / 食行動・食意識 / フォーカスグループインタビュー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自立高齢者の中に存在する低栄養予備群の実態を明らかにするとともに、その要因について高齢者自身の食意識と食行動に着目して明らかにすることである。本研究により、自立高齢者の中で早期介入対象者を明確化し、低栄養リスクを予防するための教育的介入方法の開発に繋がる情報が入手でき、市町村の高齢者の栄養施策への提言に資する。 2023年度は、自立高齢者の低栄養の要因となる食行動や食意識を質的に分析するために、新潟県A市において、配食サービスボランティア6人、民生委員6人、食生活改善推進員5人、趣味活動グループ6人、地域の茶の間参加者5人の合計5団体、28人(男性10人、女性18人、平均年齢72.1歳)を対象に、フォーカスグループインタビューを実施した。食生活で気を付けていることや困りごと等について、団体毎に90分のインタビューを行い、逐語禄を作成した。語られた記述をコードとして抽出し、プリシード・プロシードモデルの枠組みを用いて分析を行った。 その結果、5団体中4団体以上から抽出された重要カテゴリーは、健康問題では、低栄養より生活習慣病に関する発言が多く、行動・意識面でも減塩や体重減量をあげる者が多かった。一方、買物しづらい環境や地域交流に関する行動・意識面の発言は多く、低栄養との関連が考えられた。2024年度はこの結果を量的に把握するための質問紙調査を行う予定である。 現在の進捗状況としては、倫理申請(研究課題名:自立高齢者の低栄養の実態と関連要因~食意識と食行動に着目して~)は2024年3月に承認済みであり、今年度は予定どおり質問紙調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度から2024年度までの3か年研究計画であったが、2022年度はコロナの影響により初年度に計画した自立高齢者対象のインタビュー調査が実施できなかった。2023年度は1年遅れではあるが、計画どおりインタビュー調査を5団体、計28人に実施し、2024年度はその結果を踏まえた質問紙調査を5月と7月に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2024年度に実施する質問紙調査の結果を分析し、自立高齢者の中の低栄養予備群の実態とその関連要因(特に食意識・食行動に着目)を明らかにし、その結果を広く周知するために、普及啓発用のリーフレットの作成及び県内市町村・保健所関係者を対象にした研修会を開催予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究はコロナ禍により1年遅れでスタートしている。当初計画では、2022年度(1年次)自立高齢者の低栄養に関するインタビュー調査、2023年度(2年次)自立高齢者の低栄養に関する質問紙調査(MNA-SF、食品多様性得点、食行動・食意識等)、2024年度(3年次)研究結果の普及啓発(リーフレットの作成、関係者研修会の開催)であった。そのため、2023年度(1年次)はグループインタビュー対象者(28人)への謝金と質問紙調査の印刷代等が主な支出であったが、2024年度(2年次)は健診会場での質問紙調査やデータ入力作業に係るスタッフの謝金等の使用を予定している。また、研究結果を広く広報するためのリーフレット作成や関係者研修会等の経費も使用予定である。
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