2022 年度実施状況報告書

人間本性と理性の陶冶についての教育哲学研究：実践知の特性の究明と涵養に向けて

研究課題

研究課題/領域番号	22K02199
研究機関	群馬大学
研究代表者	三澤紘一郎群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (20636170)
研究分担者	渡邊福太郎慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (80634047)
研究期間 (年度)	2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード	分析的教育哲学 / P・H・ハースト / R・S・ピーターズ / 理性 / 知覚 / 人間本性 / 実践理性
研究実績の概要	2022年度は、極端な理性中心主義と見なされがちな1970年代前後の分析的教育哲学（特にP・H・ハーストの議論）の再検討、および言語化されないままに働く理性についての現代的な議論の分析を中心に研究を進めた。本年度は、以下の論文を上梓した。（1）三澤紘一郎・渡邊福太郎（2023）「P・H・ハーストの教育哲学―合理主義と実践的転回」『哲学』（三田哲学会編）第150集, pp. 59-84.（2）Misawa, K. (2023) ‘Rationality Environmentalised (with and beyond Michael Bonnett)’. Environmental Education Research, 29(6), pp. 840-851. また、次の依頼論文が2023年中に刊行予定である。Misawa, K. (2023) ‘Practical Rationality in Education: Beyond the Hirst-Carr Debate’, Journal of Philosophy of Education, 57(1), page numbers undecided.
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 2: おおむね順調に進展している理由 2022年度は、本研究プロジェクトの骨子の一つである伝統的な教育哲学の研究蓄積（主に英国における分析的教育哲学）を広く深く再検討する試みに着手し、かなりの成果を得ることができたため。
今後の研究の推進方策	本プロジェクトの2年目となる2023年度は、積極的に発表を行うことで本プロジェクトの研究を促進する。ラウンドテーブル（2回）やシンポジウムでの発表がすでに決まっており、新型コロナウィルスの影響で長く遠ざかっていた国際学会での発表も検討中である。
次年度使用額が生じた理由	発表を検討していた国際学会への参加を見合わせたため。当該残額高を次年度へ回すことによって、2023年度により多くの国内外の学会への参加が可能となる。