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2022 年度 実施状況報告書

日本型学校教育の構造変容に対応する資質・能力ベースのカリキュラムと授業の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K02206
研究機関京都大学

研究代表者

石井 英真  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード日本型学校教育 / 資質・能力 / 自律的学習 / 公正で質の高い学び / 学校改善実践 / 授業研究 / 教育DX / 探究的な学び
研究実績の概要

本年度は、研究目的①に関して、OECD のEducation 2030事業が提起したエージェンシー概念をはじめとする資質・能力論の新たな展開、および変容学習等の成人学習論の知見もふまえつつ、高等教育における教科学習や「総合的な探究の時間」等における探究的な学びの先進事例を分析した。それにより、「真正の学び」をデザインする指針を提起した。また、観点別評価についても、「学びの舞台」とヤマ場づくりというコンセプトで、観点別評価のあり方、およびそれを組み込んだ単元設計の枠組みを整理した。さらに、社会の創り手につながる主体性の育ちのグラデーションを捉えるタキソノミーを構築した。
研究目的②に関しては、ICTを活用した公正で質の高い学びを実現すべく、子ども主語の授業づくりの枠組みを提起した。具体的には、教師主導と学習者主体の二項対立図式を超えて、教材を介した教師と子ども、子ども同士のコミュニケーションという三項関係で授業を捉え、共同注視関係を軸に授業の構造を類型化した。これにより、教師の指導や教室や学校での学びを子どもたち自身が学び超えて自律的な学びへと展開するメカニズムを明確化した。そして、ICT活用により多層化した教室において、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させていく実践指針を示した。
上に述べたような研究成果については、著作や論文として発表するとともに、教育研究の諸学会等において、広く発表することができた。また、研究目的③に関わって、全国の小・中・高等学校の教育センターや教育現場での研修内容として実践的に具体化した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高等学校での探究的な学びのあり方についても実践的・理論的に検討し、学びと評価をデザインする枠組みを構築するなど、成果を残すことができた。

今後の研究の推進方策

研究計画に沿いつつも、変化する現状への対応が求められる研究課題であるため、研究目的の達成から外れることなく、一方で、研究の対象や方法等については柔軟に対応していきたい。

  • 研究成果

    (28件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (10件)

  • [雑誌論文] 新学習指導要領の定着に向けて―資質・能力ベースの改革の軸の再確認―2023

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      月刊高校教育

      巻: 56(1) ページ: 30-33

  • [雑誌論文] Fluctuations in the professionality and professionalism of the teaching profession in Japan: a perspective against the “learnification” of teacher education2022

    • 著者名/発表者名
      Ishii Terumasa
    • 雑誌名

      Asia-Pacific Journal of Teacher Education

      巻: 50 ページ: 453-457

    • DOI

      10.1080/1359866X.2022.2135488

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学習者主語による指導と評価と学校改革 第五回 質の高い「探究的な学び」をデザインする2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      FORWARD

      巻: 77 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 学習者主語による指導と評価と学校改革 第四回 今求められる学びと授業のあり方2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      FORWARD

      巻: 76 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 学習者目線で考える校内研修―子供を真ん中に置いた「共同注視」関係で「学び合う組織」を創る―2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      初等教育資料

      巻: 1024 ページ: 6-11

  • [雑誌論文] 学習者主語による指導と評価と学校改革 第三回 学びの主体性の見守り方と育て方2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      FORWARD

      巻: 75 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 「目標と評価の一体化」と授業をつなぐことの意味2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      教育展望

      巻: 744 ページ: 11-17

  • [雑誌論文] 子どもが主体的に学びを深めるために学校ができること―「子ども主語」とはどういうことか―2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      教育展望

      巻: 743 ページ: 24-29

  • [雑誌論文] 「教員免許更新制廃止法案」の検討―研修記録による教員の「個別最適な学び」をどう見るか2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      季刊 教育法

      巻: 213 ページ: 66-71

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学習者主語による指導と評価と学校改革 第二回 新学習指導要領が目指す学力と考える力を育てる評価2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      FORWARD

      巻: 74 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 学びの改革の羅針盤―授業の本質の再確認―2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      小学校時報

      巻: 849 ページ: 4-8

  • [雑誌論文] コンピテンシー・ベースの教育改革の課題と展望―職業訓練を超えて社会への移行と大人としての自立のための教育へ2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 742 ページ: 16-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学習者主語による指導と評価と学校改革 第一回 学習評価改革の根っこを押さえる2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      FORWARD

      巻: 73 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 「真正の学び」とは―学びの深さと重さを追求する―2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 雑誌名

      学校教育

      巻: 1256 ページ: 6-13

  • [学会発表] 米国の公的な学力アセスメントについて2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 学会等名
      国立教育政策研究所令和4年度教育研究公開シンポジウム「学力アセスメントの動向と展望~CBT化に向けて~」(オンライン)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「個別最適な学び」をどう捉えるか―「主体的・対話的で深い学び」の実現へ―2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 学会等名
      立命館大学実践教育学会第6回研究大会 講演(オンライン)
    • 招待講演
  • [学会発表] 現場主語の主体的・協働的な教師の学びを促す条件とは2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 学会等名
      日本教師教育学会 第32回大会 公開シンポジウム「教師教育の現在を秋田の地から照射する―教員養成・研修の標準化と多様性、そして主体性―」指定討論(オンライン)
    • 招待講演
  • [学会発表] 取り戻すべき「知識」とは何か2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 学会等名
      日本認知科学会 第32回大会 公開シンポジウム「教育の世界に知識を取り戻す―単元マップを媒介に―」指定討論(オンライン)
    • 招待講演
  • [図書] 中学校・高等学校 授業が変わる学習評価深化論2023

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      図書文化社
    • ISBN
      978-4-8100-2770-9
  • [図書] 「今求められる学力と学習評価のあり方」石井英真・高木優編著『ヤマ場をおさえる単元設計と評価課題・評価問題 中学校社会』2023

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      図書文化社
    • ISBN
      978-4-8100-3772-2
  • [図書] 「『個別最適な学び』と『協働的な学び』を生かす評価」ぎょうせい編『教育実践ライブラリvol.5』2023

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      ぎょうせい
    • ISBN
      978-4-324-11133-8
  • [図書] 「村山俊太郎と綴方のリアリズム」川地亜弥子・田中耕治編著『時代を拓いた教師たちⅢ』2023

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      日本標準
    • ISBN
      978-4820807360
  • [図書] 「やや長い『序編』」石井英真・仁平典宏・濱中淳子・青木栄一・丸山英樹・下司晶編『教育学年報13 情報技術・AIと教育』2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      世織書房
    • ISBN
      978-4-86686-029-9
  • [図書] 「教材研究の深め方ー対話的で深い学びを生み出す『教科する』授業へ」「読み」の授業研究会編『「対話的で深い学び」を生み出す国語科の教材研究力』2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      学文社 (GAKUBUNSHA)
    • ISBN
      978-4762031892
  • [図書] 「見取り、評価、評定の違いとは」ネットワーク編集委員会編『授業づくりネットワーク No.351 子どもが主役の学習評価』2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      128
    • 出版者
      学事出版
    • ISBN
      978-4761927622
  • [図書] 「教育『変革』政策の展開と教師の自律性―『教育DX×個別最適な学び』による脱学校化の行方―」日本教育方法学会編『教師の自律性と教育方法』2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      図書文化社
    • ISBN
      978-4-8100-2768-6
  • [図書] 石井英真・河田祥司著『GIGAスクールのなかで「教育の本質を問う」』2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      日本標準
    • ISBN
      978-4820807254
  • [図書] 「はしがき」「プロローグ」「エピローグ」石井英真編著『高等学校 真正の学び、授業の深み―授業の匠たちが提案するこれからの授業』2022

    • 著者名/発表者名
      石井 英真
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      学事出版
    • ISBN
      978-4761928599

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公開日: 2023-12-25  

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