研究課題/領域番号 |
22K02219
|
研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
川村 真紀子 藤田医科大学, 保健衛生学部, 助教 (80806076)
|
研究分担者 |
加藤 治実 藤田医科大学, 保健衛生学部, 助教 (30804207)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 臨地実習 / 学習困難 / 援助要請 / 学習支援 / 看護学生 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、文献検索を行い、臨地実習における学業的援助要請または援助要請の論文と学業的援助要請の定義に該当する論文の内容を確認した。学業的援助要請の自己評価尺度を作成にあたり、援助要請のプロセスの段階を参考にして、論文内に援助要請プロセスの段階を示す内容があるかを確認した。その結果、「学習上の困難や直面する問題」の記述は見られたが、援助要請の判断に繋がる内容ではなかった。また、研究者が以前行った質的研究では「援助の目的」や「援助を求める」に焦点をあてていた。そのため、援助要請プロセスのすべての段階における具体的な内容を文献より抽出することができなかった。 既存の文献では援助要請の全体がつかめないため、質的研究を行う必要性が生じた。そのため、臨地実習における援助要請の特徴を再考し、学生の自己評価尺度の開発として進めてよいかを検討した。現時点で考えられる臨地実習の援助要請の特徴として、学生は看護の学習過程にあるため学生自身で解決できない状況もあり、適切な時に適切な援助要請をしたかを判断するには学生側の視点だけでなく教員側の視点も必要と考える。実習での多様な人的環境や学習環境も学生の援助要請に影響を与える。そのため、臨地実習で教員は指導者と協力して学生が学習しやすいように学習環境を調整し、学生の学習状況や援助要請の状況(援助要請をしない場合も含む)を把握し、必要な学習支援を行う。このことから、学生の学習状況だけでなく教員の学習支援も含めて、学業的援助要請を捉える必要があると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は文献レビューを実施し、文献より看護学生の臨地実習における学業的援助要請に該当する内容を抽出して尺度項目案を作成する予定であった。しかし、文献検索を行った結果、援助要請プロセス段階の8段階すべての援助要請行動を抽出することが難しい状況であり、内容を検討して質的研究を行う必要性が生じた。そのため、全体的に見るとやや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、令和5年度に尺度項目案のパイロットスタディを予定していた。しかし、文献より援助要請の内容を抽出することができず、計画に変更が生じた。臨地実習における学業的援助要請は、学生の要因だけでなく実習環境の調整や学生への学習支援など教員の関わりも影響する。このことから、学生の学習状況だけでなく教員が行う学習支援も含めて、学業的援助要請を捉える必要があると考えている。令和5年度は、当初の計画を変更して半構造的インタビューによる質的研究を行い、学生の援助要請プロセスを含む学習状況とそれらに対する教員の学習支援の内容を明らかにすることを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に文献検索を実施したが、該当する論文数が少ないことに加え、所有する論文もあり、当該費用全般を使用せず、残額が生じた。2023年度は、インタビュー調査を行うため、調査費用や逐語録の作成等に費用を使用する予定である。
|