• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

大震災後の災害・危機対応及び復興に向けた学校と地域の連携構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K02225
研究機関秋田大学

研究代表者

佐藤 修司  秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70225944)

研究分担者 土屋 直人  岩手大学, 教育学部, 教授 (10318751)
谷 雅泰  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
梅澤 収  静岡大学, 教育学部, 特任教授 (90223601)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード東日本大震災 / 復興教育 / 防災教育
研究実績の概要

新型コロナの影響が5月までは残っていたこともあり、訪問調査は、東松島市の1回のみであった。11月23日に東松島市の震災復興伝承館(被災した旧野蒜駅舎を改修したもの)、震災復興祈念広場を訪問し、その後、2016年3月に廃校となった旧野蒜小学校の校舎を改修して2018年に設置された「子供未来創造校 KIBOTCHA」を視察した。キボッチャでは、自衛隊OBも協力して、宿泊やキャンプでの防災教育プログラムが提供され、全天候型室内プレイルームでは、子どもがアスレチック感覚で遊びながら「防災」を学べるように工夫されていた。その後、石巻市雄勝の徳水博志氏の聴き取りを行った。雄勝ローズガーデンファクトリーにおけるオリーブ栽培や企業研修、防災教育の取り組みの状況や、雄勝小中学校との連携、地域づくりの協議会の状況を聴き、着実に取り組みが発展していることを確認できた。
翌24日には鳴瀬桜樺小学校で渡辺孝之教諭から、また鳴瀬未来中学校で大川口裕義校長から聴き取りを行った。いずれの学校も被災後に統合を経ており、鳴瀬桜樺小学校の校舎は2021年3月、鳴瀬未来中学校の校舎は2018年1月に完成し、いずれも子どもたちにとって過ごしやすく、先進的な教育環境を実現するものとなっていた。鳴瀬桜樺小学校では震災後からの避難や学校統合の状況を聴くとともに、新校舎建設やコミュニティスクールの状況、子どもたち・保護者・地域の状況を聴き取った。鳴瀬未来中学校では子どもたち・保護者・地域の状況とともに、防災教育、学力、高校進学、職場体験のことについても聴くことができた。
また、地域と学校との関わり、教育実践、教育思想に関して、歴史研究、文献研究を行い、現在につながる課題を整理した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナの影響が残っていたが、5月以降は大きな支障なく訪問調査を行うことが可能となった。昨年度は研究代表者が所属する学部の附属小学校長を兼務したため、科研の調査を行う時間的、業務的余裕が少なくなったものの、東松島市の被災地調査を行うことができた。

今後の研究の推進方策

継続して聴き取り等の調査を行っている大槌町を訪問調査し、教育委員会や学校、地域の取り組み、語り部の活動などを調べる予定にしている。福島については、大熊町を中心にして、元の地域に戻った学校、まだ戻れていない学校の状況を継続して調査する予定である。2024年元旦に発生した能登地震についても、被災地がある程度落ち着いてきた後に訪問調査を行いたいと考えている。
これまで行った聴き取り調査のうち、大熊町の部分、東松島市の部分については整理分析し、論文としてまとめることを目指している。

次年度使用額が生じた理由

訪問調査をもう一回予定していたが、本務の都合上実施できなかった。2024年度に改めて行う予定であり、そのため2024年度に繰り越すこととした。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 戦後における永井庄蔵の学級文集実践と生活綴方(二)-水沢・福原分校二年『はたらく子ども 2ごう』から-2024

    • 著者名/発表者名
      土屋直人
    • 雑誌名

      岩手大学教育学部研究年報

      巻: 83 ページ: 40-68

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『生活の事実』を大切にする生活指導と道徳教育-岩手の生活綴方教師・永井庄蔵の『生活指導』創刊号の論考から-2024

    • 著者名/発表者名
      土屋直人
    • 雑誌名

      岩手大学大学院教育学研究科研究年報

      巻: 8 ページ: 89-105

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 岩手県戦後初期社会科カリキュラム構成の展開(1)-各郡社会科基底・学校プランの構成過程・素描-2024

    • 著者名/発表者名
      土屋直人
    • 雑誌名

      岩手大学文化論叢

      巻: 12 ページ: 97-112

  • [雑誌論文] 社会科・公民科教育研究の動向2024

    • 著者名/発表者名
      土屋直人
    • 雑誌名

      民主主義教育21

      巻: 18 ページ: 138-141

  • [雑誌論文] 戦時下、宮本百合子は子どもと若い女性に何を願ったか2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 雑誌名

      前衛

      巻: 1036 ページ: 139-152

  • [雑誌論文] 秋田市版クロスロードを活用した防災教育教材の開発-特別支援学校での授業実践を通して-2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤鮎子・佐藤修司
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部教師力高度化プロジェクト研究集録

      巻: 9 ページ: 5-15

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 運営費交付金の共通指標による配分が与えるインパクト2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤修司
    • 雑誌名

      季刊教育法

      巻: 218 ページ: 48-53

  • [雑誌論文] 戦後教育立法過程の研究-鈴木英一と教育法学2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤修司
    • 雑誌名

      季刊教育法

      巻: 217 ページ: 73-77

  • [雑誌論文] 吉野源三郎の平和と子どもへの願い-戦時下の児童文学作品より2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 雑誌名

      前衛

      巻: 1028 ページ: 151-162

  • [学会発表] 戦後教育思想のすそ野-教育政策批判を考え続けて-2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 学会等名
      現代教育政策研究会
  • [学会発表] 大学の危機的状況を考える-運営費交付金の配分問題-2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤修司
    • 学会等名
      現代教育政策研究会
  • [図書] 教師のモラルとは何か2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      新日本出版社
    • ISBN
      9784406067553

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi