研究課題/領域番号 |
22K02243
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
新川 達郎 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (30198410)
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研究分担者 |
的場 信敬 龍谷大学, 政策学部, 教授 (10532616)
河井 亨 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20706626)
土岐 智賀子 開志専門職大学, 事業創造学部, 講師 (30709291)
江上 直樹 大阪大谷大学, 教育学部, 講師 (30727342)
村上 紗央里 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (70876218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 地域公共政策士 / 地域連携教育 / EQF / トランジション / ポートランド州立大学 |
研究実績の概要 |
2022年度は、本研究の初年度にあたることから、今後の研究方針の確認とその推進のための準備的な研究を行った。そのために研究代表者と研究分担者の参加による、3回の研究会を行った。4月25日の第1回研究会においては、地域公共政策士の調査や、EQF(European Qualification Framework)の検討などが行われた。地域連携や地域からの評価、現役の学生の地域連携活動の評価、卒業後の有資格者の活動評価、地方自治体の捉え方への調査、各大学の教員や事務職員の受け止め方などが検討課題とされた。 第2回の研究会は7月22日に開催され、「ポートランド州立大学の人材育成システム-Center for Public Serviceに焦点を当て-」について報告があった。本研究課題との関係の確認、問題意識、背景となるポートランドの基本情報を踏まえながら、そこにおけるPSUの歴史や基本情報について確認評価し、特色ある地域連携型の教育研究体制をとるCenter for Public Service(CPS)の現状報告があった。CPSにおける教育支援体制やプログラム、スタッフミーティング、CPSスタッフに行ったインタビューについて報告があった。 第3回研究会では、学びの経験に関する調査のために、先行研究のレビューを行い、今後の調査方針について議論した。地域公共政策に関する学びについて、現役の学生だけではなく、卒業後の市民への調査、地方自治体や大学への調査などの必要性が検討された。具体的な調査フィールドについても議論ができた。 なお、研究代表者及び各研究分担者は、それぞれの分担にしたがって、調査研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では当初の2022年度及び2023年度は(1)国内調査(2)海外調査(3)教育開発研究の3つの柱で進めることとしている。 (1)国内調査研究は、2022年度と2023年度にかけて、訪問調査研究を進めることとし(主担当:新川)、訪問対象大学の予備調査を行い、次年度の訪問調査の準備を行った。 (2)海外調査研究は、2022年度にポートランド州立大学の教育プログラムを体系的に把握することとし(主担当:村上)、新川、村上、河井が現地調査を行った。 (3)教育開発研究では、2022年度には、教育から仕事へのトランジション研究と欧米における地域-大学連携の研究動向調査(担当:河井)、地域課題解決のために必要な職能調査(担当:土岐・村上)、地域課題解決能力および組織運営能力の把握(担当:江上)を行った。 総括的に言えば、2022年度は、本研究課題に関する予備調査を行い、既存の学習成果物を検討しつつ、国内・海外訪問調査研究と教育開発研究を予備的に実施することができた
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今後の研究の推進方策 |
2023年度からの国内調査研究では、訪問調査研究を進めるが、訪問する対象は地域公共政策士連携10大学及びCOC事業採択拠点のうち30大学程度とする。大学と地域の連携による教育のあり方の特徴を整理し、地域での課題解決に必要な能力とその形成過程を解明すること、教育と仕事との接続の実態を把握することを目的とする。その後、訪問した複数の大学関係者を招き、整理された知見を共有する連続セミナーを開講する。地域と大学が連携する教育の共通枠組みをブラッシュアップし、専門職向けと市民向けのセミナーを開催する予定である。 海外調査研究では、2023年度においてもポートランド州立大学のPSC調査を継続するとともに、EQFの調査を本格化する。その後、EQF・成人学習・職場学習プロジェクトを対象に、CEDEFOPへの訪問調査研究を行う予定である。 教育開発研究においては、2023年度から地域公共政策士の教育プログラムの受講生を継続的にインタビュー調査する。どのような経験をしたか、どのような力を身につけたかを尋ね、地域課題解決のための能力形成過程を明らかにする。2023年度からは前年度の国内・海外訪問調査研究と教育開発研究の知見を活かして、政策学の知見から調査分析と政策立案の職能を軸に、教育から仕事へ効果的にトランジションできる学習成果物のデザインを進める。具体的には、政策分析と政策立案を柱とするリサーチ・ペーパーの課題設定デザインを行う予定であり、最終成果物(リサーチ・ペーパー)の評価と仕事パフォーマンス評価を独立に行う仕組みの考案を行うこととする。 なお、当初の研究計画からの変更は、米国調査の継続であるが、トランジッション教育における欧米の比較研究の必要性を認識したことによる。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費及び人件費・謝金については、新型コロナ・ウイルス感染症流行が続いていたため、一部の研究会や調査研究がオンラインとなった。2023年度には対面による調査が可能となるので、2023年度の旅費及び人件費・謝金と合わせて執行する予定である。
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