研究課題/領域番号 |
22K02280
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大村 龍太郎 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60837144)
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研究分担者 |
武田 信子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (00247123)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 教師教育 / セルフスタディ / 教育課程 / 教師の専門性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「教員志望の学生に『教えることを教える』ことを職務とする教師教育実践者が、自身の授業づくりや授業中のふるまい、それを規定する要因や背景を省察し、自らの授業力を高めるために行うセルフスタディ」を推進するための方途を理論的・実践的に明らかにすることである。研究は、大きく三つのアプローチをとろうとしている。 (1)国際動向を踏まえたセルフスタディ方法論を整理し、日本での受容や発展の可能性を検討する。 (2)教職課程の授業におけるセルフスタディの方法論そのものの実践的検討を行う。 (3)セルフスタディを日本で推進していくコミュニティ構築のための諸課題とその解決策の探究を行う。 2023年度は2年次として、上記の(2)(3)に関わることを推進した。(2)としては、研究代表者がセルフスタディの主体、研究分担者がそのクリティカル・フレンドとなり、学生の「授業のふりかえり」を中核教材に据えた授業づくりが学生と授業者に与える影響についての事例的考察としてセルフスタディを行った。具体的には、「その日の授業内容や次回の授業予告をもとに、学生が興味・関心や疑問、考えたこと、要望を記述した『ふりかえり』を『授業者が学んでほしい内容』にどう関連付けられるかを検討し、次回の中核教材として取り上げること」「『ふりかえり』の内容から推察される学習者の興味・関心や疑問、要望に合わせて柔軟に計画カリキュラムのシークエンスを変更し、学びたいことと教えたいことの接合に努めること」を組み込んだ実践が、学習者と授業者にどのような気付きや意味をもたらすかを考察した。このセルフスタディは、教師教育学会にて研究発表を行った。(3)としては、様々な研究者の立場からのセルフスタディの意見交換を行うためのラウンドテーブルに登壇し、それをもとにコミュニティ構築の課題について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に示したように、 (2)教職課程の授業におけるセルフスタディの方法論そのものの実践的検討を行う。 (3)セルフスタディを日本で推進していくコミュニティ構築のための諸課題とその解決策の探究を行う。 の2つの目的については、概ね進めることができている。しかし、(1)については海外の研究者とこちらの予定等の都合もあり、昨年同様、交流等が不十分であったため、海外に出向き、その部分は行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
(1)については、国外でセルフスタディを行っている研究者を対象に、方法論等の知見についての調査及び議論を行い、理論等の精緻化を図っていく。 (2)については、引き続き研究代表者がセルフスタディ実践、分担者がそのクリティカル・フレンドとしてかかわり、その研究及び方法についての成果と課題を蓄積し、研究成果物としてまとめていく。 (3)についても引き続きセルフスタディを行っている研究者との交流から検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた海外の研究者への調査の日程調整が合わず、旅費等が計画よりも少なくなった。その調査の旅費等を次年度にまわすこととなった。
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