研究課題/領域番号 |
22K02304
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
隼瀬 悠里 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (90611773)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | フィンランド |
研究実績の概要 |
不確実で予測不可能な社会を生き抜くため、国際的にコンピテンシーに基づく教育改革が進められている。本研究が対象とするフィンランドでは、2014年に改訂されたナショナルでは、汎用的コンピテンシーとして7つのコンピテンシーの育成が掲げられている。また、こうした教育改革に伴って、フィンランドでは2016年から大規模なコンピテンシーに基づく教師教育改革にも着手している。本年度はこうした改革の動向について、文献や国際学会参加を通した研究情報収集を行った。2016年から展開している「教師教育開発計画」では、3つの領域を設定し、各領域で教師が具体的に獲得を目指すコンピテンシーが明示されていた。また、改革を推進するために、6つの改革の柱が掲げられているのだが、そのうちの一つに「協働に基づく教師教育の強化」があった。この改革の柱に関する具体的な取り組みとして、メンタリングによる協働力量形成が期待されていたのであるが、研究情報収集のために参加した北欧教育学会において、初任者研修として、メンタリングの時間を授業時間に代替できる権利が保障されている一方で、取り組みがあまり展開していないことも報告されていた。また、分担執筆者として関わった書籍においては、幼児教育分野における教員不足の問題についても言及した。こうしたことも踏まえ、今後はフィンランドの教師文化の特質についても視野に入れながら、引き続き研究を進めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たな研究情報を収集するなどの進展もあったが、当初予定していたフィンランドにおける現地調査には至らなかった。次年度以降の計画に反映させ、必要な調査を実施していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
関係者へのインタビューや現地での調査など、具体的な取り組みについての研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度交付の経費については、ほとんど残額なく使用している。
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